1ー7
大きく首をふり、「否」を伝える。
また、なにか考えているようだったが、男は先にベッドから降りると、瑠璃を抱えあげた。
瑠璃を抱えながら、難なく歩きだし、たどりついた場所は、瑠璃がいまいちばん必要としていた場所だった。
「ここだろう?」というように、瑠璃に視線を合わせてきたので、コクコクとうなづく。
すると、男はほっとしたように見えた。
瑠璃も最悪の事態だけは避けることができたことがわかり、胸をなでおろす。
男に促され、なんとか用を足し終わった。
その後、目覚めた寝室らしい部屋に戻ると
、男は瑠璃だけを部屋に残し去っていってしまった。
トイレ問題が解決され、心に余裕ができたところで、改めて、部屋を見回すと、自分だけが場違いに思えた。
自分の身体に触って確認するが、車の前に飛び出したはずなのに、傷ひとつついてない。
靴と靴下ははいてなかったが、着ている制服に乱れたところはなかったので、一緒にいた男になにかされた訳ではないことは瑠璃にも分かった。
頭がついていかないが、今いる場所が日本ではないことと、言葉が通じないことだけは、はっきり理解できた。
そしてー
私、どうなるんだろう?
と、いっても、その鍵を握っているだろう男は出ていったきり、まだ戻ってこない。
しかたがないので、ベッドで横になって男が再び登場するのを待つうちに、いつのまにか、また眠っていた。




