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7ー4

城下の中央に設けられた市場には、生活用品から生鮮食品まで、ありとあらゆるものが集められ、カイラスが許可を与えたものであれば、異国人でも商いができることになっていた。


色とりどりの天幕の下は、市場特有の熱気と高揚があり、瑠璃もその雰囲気にのまれ、気分が高揚していた。


人にぶつかり、あっちにふらふら、こっちにふらふらし始めたところで、カイラスに呆れられたように眺められ、カイラスの口の端が上がった。


瑠璃に、カイラスから手が差し出された。


瑠璃が、カイラスを見ると、首肯した。


カイラスが、迷子になりかねない瑠璃を心配して、手をつなぐことにしたらしい。


恥ずかしさのほうが大きかったが、カイラスの大きな手を握ることにした。


カイラスが瑠璃の手を、強すぎないがしっかりと握った。


ふたりで、ゆっくりと、いろいろなお店をのぞき、瑠璃が初めて目にするものについて、いくつか、カイラスに質問したりして時間を過ごすうちに、ふたりの間に、しばらく前からあった見えない壁が、いつのまにか、取り払われているのがわかった。


カイラスのまえで、自然に笑顔に、いつのまにか瑠璃はなり、カイラスもまた、瑠璃を見つめる瞳に温かなものを宿していた。


ー市場に、連れてきてもらって良かった。


瑠璃は、その気持ちを素直に口にした。


「今日は、ありがとう」


「?

まだ、なにも与えていない。

礼をいわれるには、早いと思うが」


不思議なものを見る顔をして、カイラスが瑠璃の言葉の意味を探るように見つめてきた。


瑠璃は、カイラスに笑顔を向けた。


「なにもいらないよ。

カイラスがいてくれるだけで、いいの」


さらに訳がわからなくなった表情をして、カイラスが言った。


「なにもいらないなど、来た意味がなくなる」


瑠璃は、柔らかな笑みを浮かべるだけだった。その笑顔は、これ以上はないというほどいきいきと美しいものだった。



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