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6ー5

「表」の執務室から戻りながら、カイラスはルリに話すことを楽しみにしていた。


ようやく、時間を作れそうな見通しがたち、ルリと市場に一緒に行けそうだ。


「奥」に戻ると、ルリは、刺繍を刺していたが、この間、カイラスがのぞいたときと、大して、進んでいなかった。


ルリに市場に連れて行くことを伝えると、一瞬、間があった。


「うーん、カイラスとは、いいよ。」


刺繍から顔を上げず、カイラスのほうを見なかった。


ルリを喜ばせたかったし、ルリと一緒に過ごせることをカイラスも楽しみにしていただけに表情には出さなかったが、気落ちした。


ルリが、言い継いだ。


「お偉いさんの視察みたいなものでしょう?

なんか、こう、私の求めているものと違うっていうか....」


ルリは眉根を寄せながら、難しい顔をしていた。


ルリが刺繍から、顔を上げた。


「城下に行くなら、市場よりも、建て直したマナナ寺に行くのは?

カイラスが一緒じゃないと、ダメなの?」


ルリは市場に行くと伝えたときよりも、嬉しそうだ。


また、ルリがいなくなることを心配して、カイラスの口調は強いものになった。


「ルリがマナナ寺に行くことは、許さない。

エレオラに会いたければ、城に呼べばいい。」


ルリが建て直したマナナ寺に行ったら、二度と戻らないと、言い出しそうだ。


ルリとしばらく、睨み合いが続いたあと、先に折れたのは、ルリだった。


「わかりました。」


なにを、分かったのだろう。

カイラスは、とりあえず、マナナ寺に、ルリが駆け込むことを回避できて、ホッとした。


「行くなら、ハイラルに行きます。」


今度は、なにを言い出すのか。


「ヴィグが、ハイラルに遊びにおいでって手紙に書いてあったんでしょう?」


「なにを分かったのか、と、思えば。」


と、つい口をついた。


「ますます、許すわけないだろう。

ハイラル国に行くのなら、そんな気軽にいけるわけないのだから。まだ、礼も返してないのに。」


「真面目だけが取り柄は、......が言ったとおりだ...」ルリが、ボソッと、なにかつぶやいていた。


「明後日、時間を作ったのだから、一緒に市場に行く。」


「それは、バルク・ロザの命令?」


カイラスは肯いた。


ルリが、カイラスにわかるように、吐息をはいて、また、「わかりました。」とカイラスに視線を合わせながら言った。





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