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6ー3
ルリと一週間ぶりに、寝所をともにする日
寝台にカイラスが先に横になっていると、ルリがあとから、寝支度を終え、入ってきた。
いつも、ルリは、そのまま、「じゃあ、おやすみ。」と言って、先に眠ってしまうが、カイラスのそばまで寄ってきて、カイラスの顔をのぞきこんだ。
「表」に呼び入れた花街の女たちと、カイラス自身は、なにもなかったので、後ろめたいことはなにもしていないと、心の内で異議を唱えた。
ルリと目が合うと、なぜか、ルリが微笑んだ。
「いろいろ大変だったみたいだね。
マリィが、めずらしく、カイラスがこぼしたって言ってた。
表のことは、私には、わからないけど....
カイラスが大変だなって思うとき、私に言えばいいよ。」
と、優しい気持ちを言葉にしてくれた。
「ルリが、表のことを心配する必要はない。」
と、そっけない返事をした。
しばらく、見つめあったあと、ルリが視線を外して、
「じゃあ、おやすみ。」
と、いつものように、先に眠りについた。




