6ー2
一週間ぶりに会うルリは、カイラスによそよそしかった。
マリィが、「花街の女性を城に招くことに、不快感を示されていました。」と、会っていない間のルリのようすを報告していたので、
そのせいだろう。
ルリが無垢なのは、知っていたが、ルリに首飾りを贈っただろう男とのことを、それとなく聞いたときに、
ルリは頬を赤くしながら、
「そういうことは、好きなひととしかしないものじゃないの?」
と、言っていた。
ルリに「好きなひととしか、してはいけない」と言われた時に、オビでは、男が庇護を与えれば、女は拒むことがないので、ルリの生まれた国では、そうなのだろう、と、自分を納得させた。
ルリを初めて見た時に、その美しさに心囚われて、自分のものにすることに決めた。
一度、カイラスのもとからいなくなったルリを、幸運にも、また、手に入れた。
カイラスの人生で、ルリを失うことは、あってはならないことのように思えた。
ハイラル国との貿易交渉最終日、例年、城内の女官は城下に下がらせるが、自分の気持ちを優先して、ルリは手元に置いたままにした。
一週間、ルリに会えないことが、あんなにつらいことだったとは、自分でも、意外なことだった。
今までだって、城下に恋人をもつことはあったはずなのに。
ルリの笑顔を思い出して、急に、ルリが恋しくなり、明け方、こっそり、寝所に戻った。
ルリは泣きながら眠ったのか、頬に涙のあとをつけて、瞼が少し腫れていた。
ルリの涙のわけを推察するが、カイラスを思って泣いていたわけではないことを思い、小さく溜息を、ルリに気づかれないように吐いた。
ルリが恋しがって、泣いていたのは、あの首飾りの贈り主だろう。
それでも、構わなかった。
ルリは、よく眠っているようだったから、そっと、寝台に入り、ルリを抱きしめると、ルリがカイラスに身体を寄せてきた。
涙のあとに、口づけても、起きなかった。
なかなか、離れがたく、このまま、ルリのそばにいたいと思ったが、ルリが心開くまで、ゆっくり待つと決めたので、そっと、身体を離した。




