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5ー11

嫌な予感しかしなかった。


昨夜、浴場であった謎の男のことが頭にあった。


瑠璃は確認せずにいられなかった。


「マリィ、あの、そのひと.....

ヴィグってひとだけど、熊みたいに身体が大きくて、片目だけど、すごいイケメン?」


マリィは瑠璃の言ったイケメンの意味がわからなかったが、


「そうです。隻眼の方ですわ。」と応えた。


瑠璃のなかで、いろいろなことが繋がって、落ち着かない気持ちでオロオロしそうになった。


ヴィグはとりあえず、浴場で、瑠璃に会ったことは、カイラスに言わなかったようだが。


マリィにも、カイラスの言いつけを守らずに、ヴィグにばったり会ってしまったとは、言えなかった。


青くなったり、赤くなったりしている瑠璃のようすに、マリィが、「どうかされました?」と水を向けたが、


「ううん。

なんでもない。先を続けて。」


と、小さく答えた。


「ヴィグ様が、殿下に根掘り葉掘り、ルリ様のことを聞き出そうとしたようで、


珍しく殿下は、不愉快だった、と、戻ってきてから、私にこぼしていました。


殿下が、表でのことを、私に、こぼすなんて余程だったのでしょうね。


まあ、それと....


ルリ様に贈られたヴァイオラニの涙ですが、女神が愛しい男神を恋慕して流した涙の結晶と言い伝えられておりますから、そのような

言い伝えのあるものを贈られて、


心中穏やかという訳にもいかないのでは、ないでしょうか。」


瑠璃は、自分がしでかしたことを思い、大きくため息をつくしかなかった。





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