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5ー5
ー貿易交渉最終日。
城内の「表」に、城下の花街の女性たちを呼び入れる。
城下でハイラル国の使節団に騒ぎを起こされるのを防ぐために、設けられた仕来りだった。
マリィに、
「殿下から、ルリ様には、居室から出ないように、と下命がありました。重ねて、必ず守るように...ということでした。」
「私は、夕方までは、奥におりますが...。
そのあとは、申し訳ありませんが、城内の女官は城下に退出するのが慣例なのです。」
マリィは、瑠璃に心から申し訳なく思っている表情で言った。
「居室にいろっていうのは、理解できたけど、カイラスは、そっちの方もお付き合いするってこと?」
険を含んだ言い方で、瑠璃が返した。
「殿下は、ルリ様に証を与えられましたから、まぁ、そういうことは、なされないと思いますが。」
瑠璃をなだめるように、マリィが微笑みながら、優しい口調で言葉にする。
瑠璃は納得しかねるようで、
「男って、本当に、もう、それしかないの⁉︎」
と、渋い顔をした。




