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3ー7

ーここにも、たらい回しがあるとは...。


瑠璃は、マナナ寺の女たちのために、なにかしてあげたくて、役所にきていた。


春を過ごし、夏の気配がし始めた頃、夕方になると、雷とともに雨が降る日が続くようになった。


そんな、ある日、雷が女たちの住む家に気まぐれにも落ちた。


かなり古びた造りだったにも関わらず、かろうじて家は倒壊と、火事は免れることができたが、住み続けるのは、無理そうだ。


瑠璃を保護した老女 エレオラは、そのうち、喜捨を募って、修理する、と、いうばかり。


そこに住む女たちは、皆、質素で、その生活に満足しているようだった。

刺繍や、内職仕事をし、その少ない収入で、皆で助け合って生活していた。


瑠璃は、エレオラに、金環を差し出し、お金に替えてもらえるようにお願いしたが、エレオラは、それは、できないことなのだ、と言っていた。


瑠璃を温かく迎え入れ、世話をしてくれる、マナナ寺の女たちの親切に、瑠璃は恩返しがしたい。


その思いから、カタコトしかまだ話せないが、マナナ寺の修理もしくは、建て替えをお願いするために役所に乗りこんだ。


この3ヶ月で、なんとか、ヒアリングのほうは、可能になっていた。


日本語と違う、発音の仕方やイントネーションに苦労はしたが。


また、カタコトとは言え、話すほうも可能にはなったという自信はすこしついた。


マナナ寺の女たちに、ここがオビという国のヴァスキュラという地方だということ。今、瑠璃は、そのヴァスキュラの首都 ブラックウォードにいるということを教えられ、それを、理解していた。


ブラックウォードに辿りついた時、瑠璃の目を釘付けにしたのは、その街の中心に城があったことだ。


普通に、日本で暮らしていれば、お城といえば、某夢の国の有名なお城を想像する。


しかし、瑠璃の目を釘付けにした城は、それとは赴きをまったく別にした、要塞みたいな堅固な印象をもたらすものだった。


ブラックウォードは、南北で行政区を分け、それぞれの区長がそこに暮らすひとたちの面倒を見てはいたが、さらに、区長の下に、もっと細かく街をまとめる、行政官が配置されている。


行政官のところに直談判に訪れた瑠璃は、まず、「自分の担当ではないから、ほかをあたるように」と、無情にも、話しすら聞いてもらえなかった。


次に訪ねた行政官も、同じだった。


そして、たらい回しというのは、日本に限らず、どこのお役所も同じなのか、と、腹を立てていた。


それならば....と、ここで、いちばん偉いひとに直接、話しを聞いてもらうことにしたのだ。


多分、その偉いひとは、初めてブラックウォードに着いた時に見た要塞のような城にいるはずだ。


そして、毎日、時間があれば、瑠璃は城に行き、守衛に、「偉いひとに、会わせて」と、その要求を口にしていた。

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