3ー5
瑠璃を保護したマナナ寺は、夫に虐げられたり、不遇な境遇にある女が保護を求めれば、保護を求めた女を助け、護るという、ヴァスキュラにある唯一女の駆け込み寺だった。
オビ国の男は、子どもを宿し生み育てる女性を大切にする。
妻は、夫に衣食住の面倒をみてもらう庇護を与えられる。オビ国では、一度、男に庇護を与えられた女は、その男のものとなった。
庇護が与えられた女は、男が与える装飾品を身につける習わしなので、その身に装飾品をなにもつけてない女は、一目で、誰の庇護も受けていないことがわかる。
とりたてて、王族だけに、許された禁色はオビ人の髪と同じ金の色で、王族男子に庇護を与えられた女は、金を身につける。
王族男子の使う紋により、その女が王族のなかの誰の庇護にあるのかわかるようになっていた。
カイラスは太陽紋だ。
女に装飾品を贈ることは、女に求婚することで、女がそれを受け入れれば、贈られたものを身につけ、夫婦となる。
贈る装飾品には、婚姻を祝福する神々への誓文---女への気持ちを違えず、その女を護りぬくという誓い--を彫りこむのだ。
なので、夫婦となれば、それは一生変わらない誓いとなる。
オビでは、妻の躾けは夫の責任とされ、なかには暴力的な手段で躾けを行なう夫もいる。
妻は、夫に従うことが当たり前とされているのだ。
ただ一つ、妻が夫から離れるには、オビ国内に3つある女の駆け込み寺に保護を求めることが出来るというのがあった。
駆け込み寺に保護された女は、どのような男、それが王族男子であろうとも、夫から護られる約定がある。
それは、古来からの取り決めとなっていた。




