表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/120

3-3

ヴァスキュラはオビ国の最も北にあり、すぐ隣には国境を接してハイラル国があった。


ハイラルとは、ひとや物の流通が盛んで、毎年、夏になる前にハイラルの使節団を迎え、細々とした取り決めをしていた。


その使節団の到着が、もう一週間を切り、城内は活気に満ち、また、皆、忙しくしていた。


カイラスも、もちろん、定めた行政区の区長と打ち合わせをしなければならないなど、ヴァスキュラを治めるものとして、これ以上はないほど忙しかった。


カイラスが執務室で、書類に目を通している時だった。


執務補助官のナオが、申し訳なさそうに、カイラスに声をかけてきた。


「殿下のお耳に入れるようなことではないと思ったのですが、少し、気になったものですから、お時間をいただいてもよろしいでしょうか?」


カイラスは書類から目を上げずに、

「よい。

話せ、ただ、手短にな。」


と、耳だけ貸すことにした。


ナオはカイラスに、どう、話してよいものか

逡巡したあとに、切り出した。


「最近、城の門衛のところに、カタコトしか話さない異国人の女が、押しかけてくるようなのです。


なにをしたいのかも、わからず、城を指さして、ふんぞりかえるらしくて、門衛が対処に苦慮しております。」


カイラスはそんな話だったのかと馬鹿馬鹿しく思ったが


「その女は、正気ではない、可哀想な女なのだろう。ハイラルの使節団が来る前に、保護して救済院か施療院に入れとけ。」


聞き逃した言葉が引っかかった。


「ナオ。

今、異国人と言ったか?」


カイラスは書類から、目を上げて、ナオを見た。


ナオは、はっきりと肯いたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ