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2ー3

ブラックウォードの城には、結局、ひとりで戻ってきた。


カイラスのかたわらに、ルリはいない。


もう、ひと月も時間が経つと、ルリという女自体が、自分が作り出した理想の女の姿を真似た人外のものだったような気がしてきた。


精霊や神々の昔話は、大人になるにつれて、迷信としか思えなくなったが、自分の身に起きた不思議な出来事を振り返ると、カイラスは複雑な気持ちになった。


ルリと新婚初夜を過ごすはずだったラタの満天星亭の食堂で、ルリが「トイレ」とカイラスに訴えた。


カイラスは、宿では、ルリが心安く過ごせるように、宿の主人に、高い宿泊料を払うので

ルリの世話を頼める部屋係をつけるように頼んだのだ。


「トイレ」には部屋係に案内させて、カイラスは食堂で待っていた。


ふたりがなかなか戻ってこないので、ようすを見に行った先に、なんと、その部屋係の娘は、カイラスがルリに与えた織物で柱に縛りつけられていた。


女-ルリはカイラスから逃げ、そして、そのまま忽然と姿を消してしまった。


新婚初夜に新妻に置き去りにされ、カイラスは男としての矜恃をうち砕かれた。


あの、女狐め。


と、心のなかでルリを苦々しく思った。


ルリが姿を消す直前、カイラスに向けた初めての笑顔は、あどけなく、鮮やかでカイラスの胸を打った。


その笑顔を向けるルリを自分のものにできたことを嬉しく感じた。


ルリはわたしのものだ。


そう告白された本人は、納得していなかったらしい。


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