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瑠璃の頭の中に、また、朝の情景が浮かんできた。
あの意味深な「内緒」は賢一郎が一緒にいたあの子のことだったのだろうか。
瑠璃が大好きな笑顔は、あの子に向けられるのか。
あの子は勇気を出して告白したのだろうか。
そんなことを、考えれば考えるほど落ち込んでいった。
瑠璃をいちばん落ち込ませたのは、自分がフラれるのが怖くて、チャンスがあったにも関わらず、告白しなかった自分自身の姿。
思考が散漫になるなか、ぼんやり歩いていた。家に向かう途中の信号のない交差点を、自動車の往来を確認しないまま渡ろうとした途端。
気がついた時には、白いワンボックスカーが
すぐ、目の前にあった。
足が竦んで、その場に固定されたように足が動かない。気づいた通行人の「危ない!」という大声が耳に入ったが、瑠璃にはどうすることもできなかった。
ーぶ、ぶつかる‼︎‼︎
と、目を瞑った瞬間。
意識が白濁して、瑠璃はなにもわからなくなった。




