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言葉がつうじないのは承知していたが、女に

これから腹ごしらえをしたあと、別荘を発ち

温泉のあるラタで一泊することを教えた。


女はカイラスの動きを見逃すまいと、身体を固くしたままでいた。


新妻の賛同は、まったくもって得られなかったが、カイラスが自慢にしているヴァスキュラの温泉が女の頑なな心を少しでも癒してくれることを願うしかなかった。


女がなにを好むのか、分からなかったから、水と数種類の果実を用意してやった。


口にする素振りがなかったので、毒やおかしな薬が盛られていないことを教えるために、自らが口にし、安心して食べられることを目の前で見せたが、女は、水も食べものも、決して口にしなかった。


女の身体と、その精神が心配だったので、食べものを口にさせたら、吐き出した。


カイラスに挑戦的な、強い意志を宿した黒い瞳を向けてきた。


自分の意志でないものは、絶対に受け入れない、と、その瞳は語っていた。


ラタの地で、女がなにか口にできるものがあれば良いが、女が、このさきも食べることを拒むようなら、何らかの対処を考えなければならない。


自分も腹ごしらえをしたあと、陽のあるうちに、ラタに着きたかったので、女をブランケットに包み、ふたり用の鞍に付け替えた馬で

女とラタを目指した。

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