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カイラスがもう少しで帰ってくると聞いて、瑠璃の心は明るくなった。
しばらく、いくつかのことが瑠璃の胸を塞いで、うつうつとした気分が続いていた。
ヴィグの告白。
異性からあんなに激しく求められたのは、瑠璃にとっては初めてのことで、戸惑いしかもたらしはしなかったが、自分のなかのなにかが揺らいでいた。
そして、もうひとつのきがかり。
夜、眠りたいのに眠れなくなったのは不思議な夢を見初めてからだった。
瑠璃を呼ぶ声。
カイラスか、ヴィグか...サイラスか。
ーあれは、誰なんだろう。
夢のなかでは、その男が誰なのかわかっているのに、起きると忘れてしまう。
同じ男の夢を見ていた。
昼間、うとうとしている時ですら、「ルリ」と呼ばれている気がする時がある。
そんなことも、カイラスが帰ってくれば、解決されるような気がした。
居室に飾られたオージェ村から定期的に届くようになった白百合を思った。
瑠璃のために、カイラスが贈っているとマリィが、なぜか嬉しそうに教えてくれた。
カイラス本人は、瑠璃になにも伝えてこなかったが。




