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ひと息ついたところで、先ほどの続きをどちらともなしに話し始めた。
「今回のことは、ルリ様に非はありませんから、殿下には、それとなく、私から伝えましょう。
アルバンから、ルリ様の胸の内を先に聞いておいてよかった。
殿下とルリ様の関係が微妙な上に、長いこと離ればなれの状態が続けば、また、今回のようなことがあるとも限りませんし、
ルリ様のお気持ちも、いつまで、殿下に向いているか、わからないでしょうね。
あの子の子どもをこの手に抱くのが私の夢だというのに...」
マリィが、どこかへ思いを飛ばすように瞳を揺らした。
「家政務長?」
ナオの呼びかけに、気を取り直したように、マリィがいつもの優しい笑顔を作る。
「ヴィグ様のことがありましたから、早急に王宮に使いを出して、何らかの策を講じる必要がありそうですわね」
マリィの意見と、ほぼ同じことを考えていたナオは、同意を示すために肯いた。
ナオは、先刻、マリィが零した(また、ルリ様が面倒ごとに巻き込まれなければいいのだけど)という言葉の意味を問うなら、今だろうと
「家政務長...ヴィグローヴァ王太子が奥にいらした、あの時、"また、面倒ごとに巻き込まれなければいい"と口にしましたよね?
また、とは、どういう意味だったのですか?」




