チュートリアル #2
トモは少しだけ周りに比べて木々が少なくなっている場所に到着した。
「暗っ・・・・・・」
【深淵なる森】という名前がついている故、トモの視線の先の森は視界が悪そうに見える。
トモが今いる場所は上空から日が少しだけ射していて、まだ明るい。
トモは辺りを少し見渡す。
・・・・・・まだ他の人達は来てないのか・・・・・・。
3人1組のパーティ。これでこのダンジョンを進むことになっている。
トモはキャラクターウインドウからパーティを選択し、これから一緒に向かうメンバーの名前だけを確認する。
「杏奈さんと朱音さんか・・・・・・」
・・・・・・漢字で登録も出来たのね。
パーティメンバーが女の子だということに少しだけ安心する。まだ若干の不安が残る中、見知らぬ男とは一緒に行動はしにくい。それが兄だったら良いのだけども・・・・・・。
ザッ。
トモの後方から、足音が響く。
トモは慌ててその音に振り返る。
「・・・・・・っ」
「驚かせちゃったかしら? 」
「こんにちわ〜」
二人の少女がトモの前に現れる。
「いえ。そんな事はないですよ」
「なら、良かったにゃ。トモって呼んで良いかぃ? 」
「良いよ。私も杏奈って呼んで良いよね? 」
「うん。良いよ」
最初の「にゃ」という語尾が気になったが、聞くということはしなかった。聞いても何か無駄なような気がしたから。
「私は朱音よ。よろしくね」
「はい」
トモは杏奈と朱音とそれぞれ握手を交わす。
「このメンバーでやって行くということね。まず武器とか確認しましょうか」
「そうだね」
「了解にゃ〜」
トモと杏奈は朱音の言葉に頷く。
トモはまたキャラクターウインドウを開き、アイテムの欄を確認する。
【氷光のロッド】。
氷と光属性を持つ最初に持てる武器としてはかなり上位に入るものだ。それは武器の名前が書かれている横の星の数で確認する事が出来た。【氷光のロッド】のレア度は3だった。レア度の最高は6である。
・・・・・・ふぅ。魔法使いってわけね・・・・・・。
トモは取り敢えず防具も含め装備してみる。
「トモ。完全に魔法使いだにゃあ」
「凄いわね。似合ってるし、良いんじゃない? 」
「ありがとう」
【氷光のロッド】【魔法帽】【氷光のスツール】
これが今トモが装備しているものだ。