チュートリアル #1
「ようやく・・・・・・ね」
トモが息を整え終えてから数分後、ここにログインしている人全てが待ちに待ったチュートリアルが始まる。
「おっと・・・・・・」
時間が3時になった瞬間、第4広場の上空に一つのモニターが現れた。他の1〜10まである広場でもこうなっているのだろう。
「皆さん。数分振りです」
そのモニターから響く声は最初に聞いたカロンのそれだった。
「カ、カロンっ!? 」
トモを含めほぼ全員が驚きの眼差しでカロンの声を聞いた。
「チュートリアルにあたり、僕の方から少しだけ説明をさせてもらいますね。チュートリアルはこの【ディティ】の街を出た先のダンジョン等で行ってもらいます。そこの場所までは遠いですし、こちら運営側から指定の位置まで飛ばします。一度行った場所は【印】と呼ばれるもので自動的に登録され、次からはそれを使い行くことが出来ますので安心してください。で、僕が喋っていても聞き逃したりするかもしれないから、クエストのチュートリアルに説明を加えさせてもらってます。それをきっちり読んでください。それでは」
モニターは閉じられ、その後には蒼い空が広がるだけだ。
「投げやりだねぇ・・・・・・」
トモ以外の人もこう思っているに違いない。数人ため息をしている人が見受けられる。
「えと・・・・・・」
トモはカロンの指示通りに、もう一度チュートリアルを開く。
「トモ様のチュートリアル開始場所は【深淵なる森】という場所になります。武器、防具その他いろいろのアイテムなどは到着時に配布されますのでご安心ください」
・・・・・・だから今は普通の服ってわけね・・・・・・。続き続き。
「尚、その時に3人1組のパーティを組んでもらいます。経験値の分散、互いのスターテス並びにアイテムの確認トレード等が行えるようになります。チュートリアル終了まではパーティを解散出来ないので、そのところはご了承ください。以上で簡単ですが、説明を終わらせていただきます。チュートリアルを始められる場合は下のボタンをタッチしてください」
追記されていた文章はこれだけだった。
「ボタンボタン・・・・・・」
下にスクロールさせていくと、そこには【深淵なる森】と書かれているボタンがそこにあった。
「これね・・・・・・」
そのボタンに触れる前にトモは一旦深呼吸をする。
「すぅ・・・・・・、はぁ・・・・・・、すぅ・・・・・・、はぁ・・・・・・。よしっ! 」
トモがボタンに触れると同時にウインドウが消え、トモの身体が白い光に包まれた。