似て非なる世界 #2
「本当だよなぁ…………」
ジェーニィも、ベットに身体を預ける。ミキに近づきすぎないように。ある程度の距離を開けて。
この部屋の天井に付けられている蛍光灯の光に、ジェーニィは自分の手を透かしてみる。現実の世界と同じように、血管が浮き出てみえる。
きゅるるるるる。
可愛らしい音が鳴り響いたかと思うと、ミキが顔を赤くしてばさっと飛び起きた。
「き、聞こえた………………? 」
「当たり前だ。あの音で聞こえない方がおかしい」
「恥ずかしいなぁ……。もぅ…………」
まだ顔を赤らめたままのミキは、自分のお腹をさする。そんなミキを見ていると、ジェーニィまでお腹が減ってくる。
「ここの世界が午後8時前だから、あっちではそろそろ晩飯の時間か」
「うん。そだね」
ミキはまだはずかしそうにしている。あんな大きな音を聞かれたのだ。たとえ仮の世界だといえ、その恥ずかしさに変わりはない。
「ミクとルースが戻ってきたら落ちる? 」
「そうだな……。飯が出来上がるまでにはやめないと。準備しないといけねぇから」
「手伝ってるんだ。毎日? 」
「うん。毎日」
ミキは素直に感心した。ミキだって手伝うことはあるけれど、それは気が向いた時だけ。母さんに無理矢理手伝わされた時だけ。
「すごいねぇ。ジェーニィ」
「なんかもう、癖になってるからな。母さんだって俺がやるの待ってるくらいだし」
「あはは。そうなんだ」
ジェーニィも身体を起こす。もうすぐ、二人も戻ってくるだろう。
ミキはベットから離れ、近くの窓まで歩く。
一面が窓になっているから、向こうの景色が見える。景色といっても、建物ばかり、無数の光が見える。
「んんんーっ。はぁー」
窓に映った自分の姿を見ながら、ミキは身体を伸ばす。客観的に自分の姿を見る。
「やっぱりちっちゃいなぁ……」
自分の姿を見て、ミキは改めて思う。
「いやなのか? 」
「嫌ってわけじゃないよ? 昨日結構走り回ったりしてこの身体にも慣れたし、ちっちゃいのは凄い楽だよ? でもさ、現実に戻った時にちょっと違和感があるんだよ。あ、違和感といっても、ほんと、そんなに気にならないレベルなんだけどね」
「まぁ、分からなくはないが」
【友好数字の悪戯】があるのを分かっていて、現実の自分とは違う姿を体験したくて、ミキは、美樹はこの【Elysion Online】を買った節がある。一番の目的は、ミクと、拓斗とすることだけれど。
「俺は結構今のミキの姿…………、良いと思うけどな」




