似て非なる世界 #1
「ねぇ、ジェーニィ? 」
ミクがお風呂に入って身体を洗っていて、ルースはそれに付き添っている。ダブルベットがある部屋に残されたミキとジェーニィは、のんびり気儘に2人を待っていた。
「どうしたんだ? ミキ」
「ジェーニィは現実は身長高い方? 」
「いいや、これと変わらない。161くらい。こっちじゃ獣人だから、ちょっと伸びた感じはするけどな」
「そんなに私と身長変わらないんだ」
「え…………。そうなのか」
「なに? そのリアクション? 」
落ち込んだかのようなアクションをジェーニィがとったので、ミキは気になってしまう。
「いや……。やっぱり、俺って身長低いなぁって思ってさ」
「そんなに気にすること? 」
女の子としては身長の高いほうのミキではあるが、ミキはそんなことを気にしたことがなかった。気にしても仕方のないことだから。高いことを悔やんだとしても、縮むことはないのだから。
「男だしな……。高いほうがいいだろ」
「まぁ、そうかもしれないけど…………。あ、で、ジェーニィは高校生? 」
「いや、中2だけど? 」
「へ? そうなんだ。年下だったんだぁ。私は高2なんだよー」
同学年か、年上だと思っていた。まぁ、敬語は使ってないけれど。
「え………あ………………、つい……」
「この姿はちっちゃいからね。間違えるのも無理ないよ。あ、敬語は使わないでね? 」
「お、おぅ………………」
ジェーニィの新たな一面。年下だとは思っていなかった。本当に。
「ジェーニィ頼りになるから。でも中2かぁ…………」
自分が中2の時、何をしていただろうか。少なくとも、今みたいにそんなにゲームにはまってはいなかった。やっていたことにはやっていたけれど。
本格的にゲームをやり始めたのは、ミクに、拓斗と会ってから。このゲームだって、勧めてくれたのは拓斗だ。
「頼りになる? そうかな。そわなこと言われたことないけど」
「そうなの? 私はそう感じたよ? 今日だって先導してくれたし」
「それは一回来たことがあるからだ。それだけだ」
「そう? 」
「そう」
ミキはどさっとベットに倒れ込む。ダブルベットではあるが、使っているのは左側にあるやつだけ。
「不思議だよねぇ。本当に」
「何がだ? 」
「この世界だよ。このゲームの世界」
「あぁ、なるほど…………」
「不思議に思うでしょ? ジェーニィも」
「それは、な」
不思議なことばかりだ。新鮮なことばかりだ。驚かされることばかりだ。
「凄いよね。感覚も全部あるわけだし、見えるものも全部ホンモノみたいだしさ。これが仮の世界だとは思えないよ」




