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Elysion Online  作者: 乾 碧
3章
57/60

ベトベト ネバネバ #2


ルースから少し大きめのタオルを受け取り、また風呂場の中にこもる。身体を拭く時は脱衣所ではなく風呂場の中で。普段の習慣が染み付いていた。この世界にいてもそれは変わらないらしい。

「はぁ………………」

ため息が出る。まだ少しベトベトしているし、少し臭いだってする。ルースが避けろ、と言ったのはそこに理由があるのだ。

ミクは自分の身体を見ないようにしながら、水気を取る。どれだけ見ないようにとしても、完全に見ないということは無理なのだけれど。

「慣れないとなぁ…………」

このゲームをする時は、絶対にこの姿。別に嫌だとは思わないけれど、なんかむず痒い。

現実(リアル)の自分よりも身長がかなり低くなっていることもあるから、そこにも慣れないといけない。

タオルを首にかけて、少し屈伸してみる。

「…………っしょ」

なんとなく、してみただけ。屈伸をしたからといって、何かが分かるわけではない。ただ、なんとなく。

まだ2日目。このゲームのリリース日からまだ2日しか経っていない。これからもっと楽しくなることだろう。そうなったら、この姿でいても違和感が無くなってしまうかもしれない。逆に、現実での姿に違和感を覚えてしまうかもしれない。

「ルース? 服、乾いてる? 」

現実と同じように洗濯機があり、服を洗濯出来るようになっていた。だから、ミクはベトベトになった服を洗濯していた。

「いや、まだだよ」

「そっか…………」

もちろん、ミクは他の服を持っていない。最初からあるやつしか持っていない。神猪(オッタル)を倒して、その後に武器を買って、それから服を買おうと、そう思っていたから。 【ウネル】の出現によってそれが狂ってしまい、今に至る。

ジェーニィが余分なふくを持っていると言っていたが、それをミクが着ることは出来ない。

基本的に服も装備形式になっていて、男女兼用、男用、女用の3つがある。ジェーニィが持っていたのは男用だったわけで、女の子であるミクがそれを着れるはずがなかった。

「後……どれくらいかかりそう? 」

「うーん。後10分くらいかな? 終わるまでそこにいる? 」

「うん。そうする」

「風邪、引かないように」

「大丈夫だよ。温かいから。それに………この世界で風邪ってひくのかな? 」

「どうだろうね。感覚は全てあるわけだし、実際の身体ではないけれど、こうやって新しい自分の身体があるわけだからね。その辺りは一緒なんじゃないかな? 」

「それもそうだね…………」

いる場所が現実なのかゲームの世界なの。それが違うだけで後はほぼ同じだ。何も違うところはない。

立っているのもなんなので、ミクは壁にもたれかかるようにして腰をおろした。

後10分。のんびりしておこう。

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