Let's party #9
「そんじゃ、まず、【アーロン川】まで行くか」
「そうだね。先頭はジェーニィに任せたよ」
「おぅよ。ルース。後ろは任せる。ミキもミクも普通についてくればいい」
「う、うん」
「頼もしいねぇ。二人とも」
ジェーニィを先頭に、ミキ、ミク、ルースの順の隊列。背後からの敵にも対応が出来る。4人が1列に並ぶのは危ない。
装備ストレージから【ムーンアクス】を呼び出して肩に担いだミクは、ジェーニィを見る。
やっぱり、ジェーニィの武器はカッコいい。後で斧以外の武器を探してみようと、ミクは密かに思った。
「ねぇ、ジェーニィ? 」
「どうした? ミク」
歩きながら、ジェーニィは顔をこちらに向けてくれる。前から敵は来ていないようだ。
「ジェーニィは獣人なのに、攻撃するスピード速いんだよね? 」
見たことはない。ミキから聞いただけ。
「そりゃ、この武器のおかげだな」
そう言うと、ジェーニィは2つの短剣【水刀風染】と【風刀水染】をクルクルと回す。
「そうなの? 」
「あぁ。2つ同時に使うと自分のスピードを上げられるみたいなんだ。魔法にもそういう技があるみたいだが」
「魔法はよく分からないや……」
どちらかというと前衛がいい。敵をドンドンと倒していきたい。
「【速度加速】のことかな? 」
ミクの後ろから声が飛ぶ。ルースの声だ。
「そうそう。それだな」
「データベースで見たくらいだけどね。一応、昨日と今日でどれくらいの技能が開放されてるのか知りたかったし」
「なるほどな」
どのような技能がこの世界にあるのか。それは何一つとして明かされていない。全てプレイヤーが調べていくしかないのだ。
「あ、そうだ。ルース」
「んー? 」
「植物系のモンスターが多いって言ってたけど、どんなのがいるの? 」
「そうだね。ここで出て来るのは基本的には【デモンローズ】と【ウネル】だね」
ミクはちょっと想像してみる。
【デモンローズ】というのは、名前からちょっとなら想像可能。ローズだから薔薇。デモンとついているのだから、色も黒くて形も大きそう。
だけど、【ウネル】というのは聞いただけでは何も分からない。
「【ウネル】って? 」
「ウツボカズラって植物知ってるかな? 」
「うん。知ってる」
ミクの後にミキも首を縦に動かす。
「壺みたいな形してて、虫とか食べるやつでしょ? 」
「そうそう。【ウネル】はそんな形してるんだ」
「うへぇ……。気持ちわるそー」
ミキはブルブルと身震いしている。その身震いがミクにも移りそうだ。
気持ち悪いのは苦手だ。普通ならそんなこともないのだけれど、この世界にいるとそう思ってしまう。
「レベルの幅は15〜20。あまり出会いたくはないね」
「残念ながは、そうもいかないみたいだぞ。ルース。ミク、ミキ」
「え……………………? 」
「お出ましだ」




