Let's party #1
「美樹……、俺は……」
まっすぐ美樹に見つめられている拓斗は、上手く言葉を作ることが出来なかった。
好き、と言われるとは思っていなかったからだ。
だからこそ拓斗は、今までで一番驚いているのだ。美樹に対して。
「だから……、いつもあんなことをしていたのか? その抱きついてきたり……」
「そうだよ? 私が他の人にしてるところ見たことある? 」
「いや。無いな…………」
「でしょ? で、たっくんの気持ち聞きたいな。私と付き合ってくれる? 」
純粋無垢に聞いてくる美樹に、拓斗の心は動かされる。
「本当に、俺で良いのか……? 」
「当たり前でしょ。たっくんじゃないとダメなの」
そう言い終わると、美樹は拓斗にキスをする。
「んっ……」
ちょっと触れるだけの、簡単なキスだった。
ただそれだけだったが、キスをした美樹の顔も、キスをされた拓斗の顔も赤く赤く染まる。
「分かった。これからもよろしくな、美樹。俺の彼女として」
「うんっ! 」
今度は拓斗から、美樹にキスをする。秒数はさっきよりも長く、濃厚なものだ。
「んっ……ちゅ」
「む……、はふぅ…………」
拓斗達はゆっくりと、名残惜しそうに唇を離す。
「こんなことしてる場合じゃなかったね」
「そう……、だな」
照れながら言った美樹に、拓斗も似たような表情を浮かべながら言葉を返す。
「たっくんは、チュートリアルの時、どの広場に集まった? 私は第8広場なんだけど」
「俺は7だな」
「近かったんだね。それなら……、第7広場と第8広場とを繋ぐ道に喫茶店【フェリーチェ】ってのがあるから、そこに来てもらえるかな? 」
「分かった。なるべく早く行けるようにする。それにしてもフェリーチェか……。良い名前だな」
「でしょ? 今の私達にはピッタリだと思って」
「そうだな」
フェリーチェには、幸せ、嬉しい、といった意味があり、今の二人はまさにこの状態だということだ。
「それと……、昨日仲良くなった友達も呼んでいいかな? 」
「おぅ。人数は多い方が安心出来るからな」
「ありがとね」
美樹は礼として、またキスをする。
「美樹……」
「良いでしょ。Elysion内じゃ、人多いしこんなこと出来ないんだから」
「それはそうだが……。戻ってきてからでも」
「ん? またしてくれるの? 」
「何でそうなる……。したくないわけではないけど……」
「ごめんごめん。じゃ、やろうよ」
「…………分かった」
拓斗は、やっぱり美樹には敵わないなぁと思い直す。だけど、そこが拓斗にとって良いのかもしれない。
2人は声を合わせる。
「「Elysion スタート 」」




