拓斗の日常 #6
「たっくんの部屋だーっ!! 」
拓斗よりも先に部屋に入った美樹は、拓斗のベットにへとダイブする。
「たっくんの匂い……」
美樹は拓斗のベットの上で、左右に転がったりしてみる。
拓斗はそんな美樹を見ながら、机の上に出しっ放しになっていたパソコンの電源を入れる。
「ねぇ、たっくん……」
「ん? どうした? 」
パソコンの画面を見ながら、美樹に声を返す。パソコンの画面に、ベットの上に座っている美樹の姿が映し出される。
「たっくんのベットなのに、智ちゃんの匂いがするんだけど、どうしてかな……? 」
「あぁ、昨日はここで智と一緒にログインしたからな。だからだろ」
「ふぅん…………」
「よし。これで出来る……」
【Anker】の接続を終えた拓斗は、美樹が待っているベットに向かう。
それを確認した美樹は、さっきまではベットの上に座っていたのに、ゴロンと寝転がる。
「何で寝転がってんだよ……」
「智ちゃんと昨日した時は、こうやって寝ながらログインしたんじゃないの? 」
美樹は少しだけ不貞腐れながら言う。
「まぁ、そうだな……」
「で、智ちゃんとそうしたのなら、私とも出来るよね? 」
美樹は布団をかぶりながらそう言う。
「分かった……」
美樹はニヤニヤしながら待っている。
「ふぅ……」
拓斗もベットにへと潜り込む。当たり前だが、向いている方向は美樹の方ではない。
「たっくん」
「何だ、まだ何かあるのか? 」
「こっち向いてよ」
「何でだ? 」
「私がそうして欲しいって言ってるの」
「仕方ないな…………」
拓斗は、しぶしぶといった感じで美樹の方に向き直る。
そんな拓斗の身体に、美樹は何ともない感じで抱きつく。
「どうしたんだ? 美樹? 」
拓斗はそうされたことに対して、そんなには驚かない。抱きつかれることがしょっちゅうあるからだ。
「ねぇ、たっくんは……、智ちゃんのことどう思ってるの? 」
「どうって……、妹だろう? 」
「スキンシップの度が過ぎるんだよ。傍目から見ると彼氏彼女にしか見えないくらいにさ」
「そうなのか? 」
「だから、たっくんはもしかしたら智ちゃんのこと好きなのかなぁって」
「好きだといえば好きだが、それは妹としてだ」
「そうなんだ。良かった……」
美樹は安堵の息をもらす。
そんな美樹を、拓斗は不思議に思う。
「どうした? 」
「私さ……、実はたっくんのこと好きなんだよ? ゲームの話ししてて楽しいし。私が抱きついたりしても嫌な顔一つしないし」
「美樹……」
「だから……、気になってたんだよ。もしかしたらたっくんは智ちゃんのことを好きかもしれないって……」
一旦間を空けてから、美樹は言葉を続ける。
「だから良かった。たっくんに好きって言えて」




