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Elysion Online  作者: 乾 碧
2章
42/60

拓斗の日常 #3


拓斗(たくと)はしょうがないなぁ、と言いながら、自分の箸で美樹(みき)が欲しいと願った卵焼きを掴み、口を開けて待っている美樹の口に運んでやる。


「はむっ。むむむ」


美樹は、拓斗が作った卵焼きを美味しそうにほおばる。


「どうだ? 」


味を聞く、というのもいつもの恒例行事となっている。


「うん、美味しいよ。でもいつもより甘いかな」

「そうか? 」


拓斗は首を傾げ、美樹にあげたために残り1つとなった卵焼きを自分の口に放り込む。


「あぁ、美樹の言う通りだな……」


拓斗は卵焼きを作るのに、砂糖を使用する。それは美樹のためでもある。美樹が甘いものが好きだからだ。今日は、いつもより砂糖の量が多かったのだろう。


「じゃ、今度は私の番だね」


くいっ、と眼鏡をあげてから、美樹は自分のお弁当箱からアスパラの肉巻きを掴む。


「はーいっ。あーん……」

「あーん……」

「どう? 」

「美味しいな。美樹はよく俺の好みを分かってる」

「当たり前じゃない。毎日のようにこうやって一緒にお弁当食べてるんだから」

「それもそうだな」


拓斗達はここで一旦喋るのをやめ、食べることに集中する。



それから数分後。拓斗は昼飯を食べ終わった。


「たっくんはいつも食べるの速いね」


そう言う美樹のお弁当の中身は、まだ半分しか減っていなかった。


「美樹が遅いだけだと思うぞ? 」

「そんなことないよ」


美樹はそう言いながら、ご飯を口にいれるスピードをあげる。


「あんまりがっつくなよ」

「う、うん。分かってる」


あがったスピードは、すぐに元に戻る。


「食べるの……、手伝おうか? 」

「そうしてくれると嬉しいかな……」


昼休みの残り時間も短くなり、そう切り出した拓斗に、美樹は頷く。


1つのお弁当を2人で食べる。


「美樹があまり食べないってのは珍しいな」

「昨日Elysionをやり過ぎたせいかな……。少し眠たくて」


美樹は、目を擦りながら言う。


「何時までやってたんだ? 」

「12時くらいまでかな……」

「何でそんな遅くまでやってたんだ? 」


拓斗は呆れながら声を出した。

拓斗だって11時までやっていたから、そこまでは言えないが。


「ずっと、洞窟みたいなところにいて、時間気にしてなかったらこんなことに……」

「なるほど……」




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