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Elysion Online  作者: 乾 碧
2章
41/60

拓斗の日常 #2


「うん。やったよ。沢山友達も出来たし、楽しいゲームだね。Elysionは」

「そうだろ? 」

「まぁ、性別が変わっちゃったのは残念だったけどね……」


美樹(みき)は、少し声のトーンを落として言う。


「だって、たっくんと同じ男の子になっちゃったわけだし……」


と美樹は、拓斗(たくと)に聞かれないように呟いたつもりだったが、拓斗の背中に抱きつき、美樹の顔は拓斗の耳元にあったため、美樹の声は。


「お前も変わったのか? 性別」


拓斗に届いた。


「え? たっくんも変わっちゃったの? 」

「あぁ。あっちの世界では、美樹や妹の(とも)よりも身体は小さいな」

「へぇ……。そうなんだ」


美樹は今度こそ拓斗に気付かれないように、小さくガッツポーズをする。


そんな2人の間に割って入るように、ホームルームの開始を告げるチャイムが鳴り響く。


「こら、そこの2人っ! 早く教室に戻りなさいっ!! 」


2人の横を通った先生が、怒り気味に声をかけていく。


「「はーい」」


拓斗達はゆるーく返事をし、先生を追いかけるように教室にへと足を伸ばした。


昼休み、拓斗と美樹は、いつもと同じように中庭で昼食をとる。


この2人と同じように中庭には、男女のペアが数個見受けられる。もっとも、拓斗と美樹は、恋人同士ではないのだけど。


「寒いね……」


美樹はそう口に出し、拓斗との距離を縮める。


「おい、美樹……。近いって……」

「良いじゃん。寒いんだから」

「まぁ、そうだけどさ……」


拓斗と美樹が仲良くなったのは、2年の春だった。拓斗が中庭で智とゲームの話をしている時、美樹がその話に入ってきたのだった。


これが、拓斗と美樹の出会いだった。


それからは、昔から仲が良かった友達のように、拓斗と美樹はここで昼ご飯をとるようになったし、家も近いため一緒に帰るようにもなった。


「ふふ」


美樹は満足そうな顔をして、自分の膝の上に弁当を置いて、開ける。拓斗も同じ動作をする。


「ねぇ、たっくん。いつもみたいにおかずの交換しようよ」

「おぅ、良いぞ。好きな物どれでも良いぞ」

「うーん。じゃ、卵焼きをもらうよ。たっくんの卵焼き、私大好きだし」

「ありがとう。じゃ、アスパラの肉巻きもらうな」

「うん。ねぇ、たっくん」

「ん? どうした? 」

「あーん、ってして欲しいな」


そう言い終わるやいなや、美樹は大きく口を開ける。

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