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Elysion Online  作者: 乾 碧
プロローグ
4/60

プロローグ #3

エリュシオン第一区画第一層


「んっ……。ふぁ…………」

トモはこの世界においての自室のベットで目を覚ました。

この世界では一人のプレイヤーにつき一つの家が与えられる。

この家、最初は必要最低限の物しか無く、とても簡素なものなのだが、Elysion内の通貨【セル】で買う事が出来る。

それらの物は現実(リアル)にあるような物から、Elysionのそれぞれのダンジョン等に出てくるモンスターの素材からも作る事が可能だ。

「やっとだね」

トモはベットから起き上がり、まず部屋を見渡してみる。トモの視界に映るのは、木製のテーブルと椅子。そして普通にありそうな立ち鏡だけだ。

……まずは……。

トモは容姿の確認のため、その立ち鏡の前に立つ。

「良かった……」

安堵の息をもらす。

トモもこのゲームを楽しみにはしていたが、案内人のカロンをも言っていた【友好数字(アミカブルナンバー)の悪戯】の事を少しだけ心配していたのだ。自分の意志では無く勝手に性別なんて大切なものを変えられたら大変だ、とトモは思っていたからだ。

そして、自分の種族か人間(ヒューマン)であることにも安堵する。

様々な種族があるわけなのだが、そこも自動で決められるのだ。不公平がないように。

「もしかしてっ………………!! 」

立ち鏡の前でクルクルと回っていたトモは歓喜の声をあげる。

「やったっ……」

自身のスタイルが良くなっていたのだ。

「結構大きくなってんじゃん。これでにぃに誘惑を…………」

あのカロンってのに教えて良かったのかも、と思う。それでも恥ずかしかったという事実は変わったりしないのだが。

「今はこの格好で良いかな」

肩が出ているブラウスとかなり短めのデニムのスカート。これが今現在のトモの服装だ。

これもシステムで用意されたもの。

ちなみにElysion内の気候は暮らしやすいように設定されており、今のこの季節今のトモのような服装でも寒くないようになっている。

「っと…………」

トモは右手を前に出し、何も無い空間をタッチする。

それに合わせるようにウインドウがトモの視界に現れる。

「なるほどね」

トモの視界の左端上部にはログイン人数、そして現実(リアル)の時間と、このゲーム内での時間が表示されている。Elysionと現実(リアル)とでは、きっちりと2時間の誤差があり、Elysionの方が早くなっている。何故このような仕様になっているかはトモは知らない。公式サイトにはそれに関することについては何も触れられて無かったからだ。もしかしたら説明書に書いてあるのかもしれないが、ギリギリの時間に帰ってきて、すぐログインした(とも)と拓斗にはそれを確認する時間は無かった。

そして視界の右側には自身のキャラクターを形どった姿が表示されていて、その横には能力(ステータス)技能(スキル)などや、オプションなどが表示されている。

「確認は後にして、まず外に出よ」

この世界がどうなっているのかを確認したいと思うのは、普通であるだろう。

……にぃ。見つかるかな……。

半ば、にぃを探しに行こうと思いながらトモは外に繋がる扉を開けた。

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