出現そして戦い #7
杏奈がそう思った瞬間、1つの音がこのヴィーグリードの草原に響いた。
「【火炎射】」
その可憐で、それであって可愛い声に振り向くと、桜を彷彿とさせる髪色で、こちらに、神猪に、弓を構え狙撃しているエルフの女の子がそこにいた。
その女の子が放った矢は、朱音とハルの間を物凄いスピードで駆け抜け、神猪に突き刺さった。
「フギャャャアアアア!! 」
大きく見えていた神猪の姿が、元の大きさに戻る。
「はぁっ……」
その狙撃により、トモは神猪の視線から解放される。
杏奈はその女の子から目を離し、神猪の体力ゲージを確認する。
「にゃ……!」
杏奈達の攻撃では減っていなかった体力が、今の一撃で体力ゲージは赤く変化していた。
「何してるの! 今がチャンスだよっ!! 」
4人の背後から、またしても凛とした声が響く。
「切・風纏!! 」
「氷拳!! 」
「雷砲!! 」
杏奈、ハル、朱音、3者の攻撃が全て神猪に命中し。
「フュギュルルャャャアアアア!!!! 」
神猪はポリゴン化して消滅した。
「【Your Win!! 討伐プレイヤー。トモ、杏奈、朱音、ハル、有栖川】」
神猪が消滅したその場所に、システムメッセージが現れた。
……有栖川……?
見たことのないプレイヤーネームが表示された。
「あれくらいのやつは倒せなきゃダメだよ」
桜色の髪を持った少女が、左手で武器【イリア】をクルクルとしながらやってきた。
「ありがとにゃ……」
「ありがとう」
「助かったわ」
「ありがとうございます」
「そんなっ……。礼を言われるまでもないよ」
首を左右に振りながら、有栖川は言う。
杏奈は、改めて自分達を助けてくれた少女を見る。
髪は桜色でポニーテール。種族は人間ではなく、エルフだった。それは、少し長い耳から判別することが出来た。
それより杏奈が気になったのは他の事だ。
……ゴスロリ……?
「あぁ……。やっぱりこの服気になるよね……」




