出現そして戦い #3
その歪んだ空間から、ゆっくりと、しかし圧倒的な存在感を持って、神猪が現れた。
「フギュルアァァァァ!! 」
神猪の咆哮で、ヴィーグリードの草原が揺れる。
「にゃっ…………」
「私達はこれを倒すの……? 」
「頑張るしかないわね」
「そうだね」
トモ達は、まさにこっちに向かってこようとする神猪に、不安しか持てない。
「フルァァァァァァァァ!! 」
「まずはあたし達からにゃ」
「うんっ」
朱音とトモが、神猪の標的にならないように、後ろに下がる。
朱音とトモが下がったのを確認してから、杏奈とハルがそれぞれ神猪に向かっていく。杏奈は右側、ハルは左側。左右から攻撃を与えて、神猪を錯乱させるためだ。元は、【フィーガル】との戦闘のために考えていたものだから、この神猪に通用するかは分からない。
だからと言って、別の作戦を練ってる暇は全くといっていいほど無いのだ。
「杏奈っ」
「にゃ……」
杏奈は右手だけに持っていた【鎌鼬】を両手でがっしりと持ち。
「横切りっ!! 」
単発の剣技、【横切り】を神猪に向けるが。
「にゃっっ……!? 」
ガンっ!! とその技は、神猪の身体に完璧に弾かれた。
そうなると思ってなかった杏奈はは、驚きで顔を染める。
「杏奈!? 」
「効かない。弾かれた……」
神猪は、何事も無かったように突進をやめ、杏奈のほうにその進路変えた。
それを確認した杏奈は、後ろに飛ぶように下がる。
「次、行くよ。氷拳」
そんなにスピードを出していない神猪の前方、杏奈がいる側に回り技を繰り出す。
「ガルッ? 」
「くっ…………」
それにより、神猪の突進を止めることが出来た。だが。
「これも効かない? 」
神猪の体力ゲージはこちらから見る限り、全然減っていないようにしか見えない。
神猪がさっき受けた微々たる衝撃に疑問を抱いている間に、杏奈達は、トモと朱音がいる場所まで戻ってくる。
「大丈夫なの……? 」
「身体の方は大丈夫……。でもあたしとハルの攻撃じゃ通用しない」
「最初だから、覚えているやつの中で弱めのやつでいったのが間違いだったかな」
「そうかもしれないにゃ。でももう一回やってみないことには……」
「分かった」
トモは頷く。
「援護必要なら早めに。すぐに動くから」
「分かったにゃ」
「了解」




