嵐の前の静けさ #13
「スキンシップとしては普通だけどなぁ……」
「普通じゃないよ。絶対に……」
「朱音さんから、メッセージを受け取りました」というシステムメッセージが、トモの視界に現れる。
「あ、きたきた」
メッセージを確認しますか? というアイコンをタッチし、トモはメッセージを確認する。
「こんにちは、トモ。杏奈に書かせるとどうなるか分からないから、私が。私達は今まさにアーロン川に行こうとしているところなの。まだそんなに進んでいないなら、その場所で待っていてもらえないかしら? 」
これが朱音からのメッセージだった。
「了解」
トモはそれだけを書いて、返信した。
「どう……? 」
「もうすぐ着くから待っててほしいって」
「分かった。ちなみに何人? 」
「2人だよ。ハルもすぐに仲良くしてなれるよ」
「うん。2人の武器は……? 前衛1人と、中衛と後衛かのどちらかがいると嬉しいんだけど……」
それならピッタリ。
「杏奈が大剣使いで前衛。朱音は拳銃だから大丈夫だよ? 」
「なら、良かった」
トモは、頭の中で少し考えてみる。
トモの【ロッド】、朱音の【拳銃】は、攻撃する際に少しだけ時間を要する。ロッドの場合は魔法の詠唱、拳銃の場合は魔力を詰める必要があるため、動作だけで勝手にシステムが判断してくれる剣などとは、勝手が違うのだ。だとしても、その差は微々たるものなのだが……。
「ねぇ、ハル……? 」
「どうしたの? 」
「【イルヴァーナ】はライオンみたいだったけど、【フィーガル】はどんなんなの……? 」
「えと…………」
「それはあたしが説明するにゃ」
ハルが説明をしようとしているところで、別の声が入ってきた。杏奈だ。
「杏奈っ! 朱音っ! 」
「待たせちゃったかにゃ? 」
「全然待ってないよ? 」
「そう? なら良かった……。モンスターに囲まれたりして大変だったのよ……」
朱音が杏奈の上に乗るような形で、入ってくる。
「お疲れ様。朱音」
「まぁ、あたしはそんなに疲れなかったけどにゃぁ……。トモの隣にいるのはお友達かい? 」
「あ、うん。昔からずっと一緒なの」
トモの紹介で、ポカンとトモ達を見ていたハルが我に返る。
「ハルです。トモも言っていたけど、幼馴染ってやつです」
「なるほど……。あたし達みたいな関係だね。ね、朱音? 」
「そうなるわね。でも、ハルだったかしら……? あなたは元々男の子……、よね……? 」




