嵐の前の静けさ #11
トモは、ハルに対して説明を始める。
「炎と水の属性があるってことは、その【フィーガル】の攻撃にも2つのタイプが存在するわけでしょ? 炎属性の攻撃がきた時はこっちの攻撃を併せて相殺出来るかもしれないけど、水属性の時はどうするの……? 」
「あぁ……。そうね……」
「1回、【フィーガル】についても調べてみて? 」
「うん。分かった」
ハルが調べ始めたのを確認してから、ハルの腕を離し、トモもウインドウを開いた。
……ハルばっかりに任せてばっかりじゃ、悪いよね……。
そう思ったトモは、開いたウインドウから昨日友達登録した杏奈、朱音がログインしているかを、確認する。
2人の名前の横にはログインの文字があった。
友達として他のプレイヤーを登録しておけば、そのプレイヤーの名前をタッチすることによって、メッセージを送る事が可能なのである。
……2人はあの後やっていたのかなぁ……。
チュートリアルを終え、ログアウトする前の杏奈と朱音の口振りから、あの後もう一度ログインしているだろうと、トモは思う。
杏奈と朱音は一緒にいるだろうと思いながらも、2人に同じメッセージを送る。「アーロン川には来たことある? 」と。
「うーん…………。 」
ハルは唸りながら、ウインドウを閉じた。
「どうだった……? 」
「そんなに詳しい情報は無かったよ……」
「そう…………」
この公式の攻略サイトは、ゲームをしているプレイヤーの手で更新されるようになっている。
だから、まだ誰も行っていない場所、誰も倒していない敵等の情報は掲載されない。
「【フィーガル】くらいの情報なら載ってると思ってたんだけどね……」
ハルが悔しそうにうなだれる。
「倒している人はいるよね? 」
「そうだろうね。私も一回ここに来たことあるんだけど、その時滝の方から戻って来ていた人もいたし…………」
「まぁ……、書くのも大変そうだしね」
「そうだね。で、トモはさっき何してたの? 」
「知り合った友達にメッセージ送ってたんだよ」
「なるほど。行ってるかもしれないしね」
「うん。メッセージ帰ってくるまで、ちょっと待っててもらっても良い……? 」
「分かった。それくらいなら」
「ありがと」
トモとハルは、杏奈と朱音からメッセージが帰ってくるまで、アーロン川の側で座って待っていることにした。丁度良いように、花も咲き乱れていることだし。




