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Elysion Online  作者: 乾 碧
2章
19/60

嵐の前の静けさ #4


「ねぇ、春樹(はるき)……」


放課後。

家までの帰り道、(とも)は春樹の隣を歩いて帰る。

朝は兄と登校し、帰りは春樹と一緒に帰る。これが、智の日常となっていた。

春樹の家は智の家の隣にあるのだが、朝から智は春樹とは登校しない。

それは智達が早い時間に学校に向かうのと、春樹が起きるのが遅いからである。


「ど、どうした……? 」

「いや、何でもないよ」


智はくすっと笑いながら、春樹が話すのを待つ。


「何か、私に話す事があるんじゃなの? 」

「良く分かったな……」

「当たり前でしょ? 何年一緒にいると思ってるのよ」

「そうだな……」

「で……? 話って何? 」


智は前を見据えながら言う。


「智は今日もElysionやるんだよな……? 」

「約束したしね。それに加えて春樹が女の子になったキャラも見てみたいしね」

「じゃ、じゃあさ…………」


春樹は若干、言葉に詰まる。

智はその変化を見逃さなかった。


「どうしたのさ……? 」

「今日は俺の部屋で一緒にしないか? 」

「春樹の部屋で……? 」

「お、おぅ……。その方がゲーム終わった後、色々話せるだろ……? 」

「そうだね……。なら、そうするよ」


「ただいま」

「おじゃましまーす」


智は自分の家でなく、隣の春樹の家に入った。


「おかえり。あ、智ちゃんじゃない。久し振りね」


靴を綺麗に並べ、春樹の後に続き階段を登ろうとすると、2階から丁度春樹の母が降りてこようとしていた。


「お久しぶりです」

「春樹の部屋ね」

「はい」

「またゲーム? 2人とも本当に好きね」

「母さん。話は後で良いからさ」

「そうね。まぁ、勉強をちゃんとしなさいよ」

「分かってるよ……」


春樹が、Elysionをプレイするために必要な【Anker】起動するためにパソコンの電源を入れる。

智はそれを確認してから、春樹のベットに腰掛ける。


【Anker】。

Elysionをプレイするために必要なハードである。

これもElysionと同じようにパソコンに取り込んでおいて、ゲームをしたい時だけにそれを起動するだけで、その【Anker】がセットされている部屋にいると、そのゲームの世界に入ることが出来る。


「よしっ…………。なぁ、智」

「ん……? 」

「もうやるか? 」

「うん。そうだね」


智はそう言うと、自分の横をポンポンとし、春樹に隣に座ってと行動で示す。


「俺、そこに座るの……? 」

「うん。その通り」


春樹はしぶしぶといった感じで、智の隣に座る。


「おい……。智……」


智は春樹の肩に自分の頭を預ける。

「これくらいしても良いでしょ? 久し振りに来たわけなんだしさ……」

「仕方ない……。じゃ、やろうか」

「うん」


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