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Elysion Online  作者: 乾 碧
2章
18/60

嵐の前の静けさ #3


「それのことなんだけど・・・・・・」

「どうした? 」

(とも)は申し訳なさそうに、答えた。

「今日は春樹(はるき)と一緒にやることになってて・・・・・・」

「そうか・・・・・・。それなら仕方ないな」

「ゴメンね? にぃ・・・・・・」

「気にするな」

「うんっ」


高校に着くと、智と拓斗(たくと)はそれぞれの教室に足を運んだ。

「さて・・・・・・。今日も頑張ろっと・・・・・・」

自分の席に座ってから、そう小さな声で呟く。

家に戻ればElysionが出来ると思えば、早く帰りたいという気持ちに加え、頑張らなければ、という気持ちが自然と湧いてくる。

「智〜」

机の中に教科書やノートをいれ終わると、智の背後から智を呼ぶ声が聞こえる。

「春樹? どうしたの? 寝不足? 」

智は後ろを振り返り、春樹の顔を見てから話す。

「まぁ、そんなところ・・・・・・」

春樹は苦笑しながら、自分の席に座る。無論、その席は智の右隣である。

「何時までやってたのさ? Elysionやってたから、寝不足になってるんでしょ? 」

「あんまり覚えてないけど・・・・・・、多分、12時くらいまではやってたと思う・・・・・・」

「12時!? そ、それはどっちの時間? 」

現実(こっち)の時間だよ。Elysion(あっち)の時間だったらもっと疲れてる・・・・・・」

「それもそうね」

「眠い・・・・・・」

「まだホームルームまで少し時間あるし、寝ておく? 私が起こしてあげるし」

「うーん・・・・・・。そうだな。じゃ、頼むぞ」

「うん」

春樹はすぐに机にに伏せた。それからすぐ、春樹の寝息が聞こえはじめた。

・・・・・・春樹の寝顔も可愛い・・・・・・。

こちらに顔を向けて寝ている春樹を見ると、そう思ってしまう。

昔から見慣れている寝顔であったとしてもだ。

智と春樹の関係は一般的に、幼馴染と呼ぶことが出来るものだ。

誕生日が一緒で親同士も仲が良く、クラスは小学校の時からずっと一緒で、離れた事が無い。そんな関係なのだ。

「もしかして・・・・・・」

智は、春樹の言葉を思い出してみる。「疲れた」と言った春樹の表情が、昨日の拓斗のそれと何か似ているような気がしたのだ。

「後で聞こ・・・・・・」

智はその後も、予鈴のチャイムが鳴り担任の先生が来るまで、春樹の寝顔を見続けていた。





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