嵐の前の静けさ #1
数回ですが、日常パートが続きます。
ログアウト不可能と、キーワードにも付けていましたが、最初の間はログアウト可能です。
「ふぁぁ・・・・・・」
智は兄の部屋のベットの上で、目を覚ました。
あの後、一旦【ディティ】の街に戻り、しばらく何でもない会話をしたり、フレンド登録をしてから自分の家に戻ってログアウトして今に至る。
「えと・・・・・・」
兄のパソコンの横に置いてある時計を確認すると、時間は6時30分になろうとしているところだった。
Elysion内の時間は現実の時間より2時間早くなっているので、戻ってくると少しだけ違和感を覚える。
それは、自分の身体についてもそうだ。智はそれほど変化しなかったため、そんなに違和感は無いのだけれど。
手を握ったり離したりして、智は感覚を取り戻す。
「にぃはまだやってる・・・・・・」
この今体験した事を、一刻も早く兄に話したいという気持ちがあったが、兄の拓斗はまだElysionのゲーム世界にいるため、この思いを伝える事は出来ない。
「どうしよっかなぁ・・・・・・」
今日は日曜日だから、明日からまた学校が始まるわけで、宿題やらしなくてはならない事が色々とある。
だが、この興奮した気持ちのままだと、その宿題にすら手がつかない。
「ひ〜ま〜・・・・・・」
今からもう一度Elysionをやりたいが、世界に入ってしまうと晩御飯に間に合わなくなってしまう可能性があるため、入る事は出来ない。
智はもう一度、ベットにドサっと寝転がる。
智は天井を見上げながら、色々と思い出してみる。
すぐに仲間と呼ぶことの出来る人も出来たし、今までとは全く違うかったが、戦闘の感覚をきっちりと掴む事が出来た。
「杏奈達も学生なのかなぁ・・・・・・」
【友好数字の悪戯】は性別や容姿まで変えてしまうので、ゲーム内の姿だけでは年齢などは判別出来ない。
「にぃ・・・・・・」
智は拓斗の背中にピトっとくっつく。智はこれが一番落ち着くことが出来るのだ。
「んっ・・・・・・」
拓斗が声を出した。
智はその音に即座に反応した。
「にぃ? 戻って来たの・・・・・・? 」
智は拓斗の顔を覗き込む。
「あぁ・・・・・・」
「どうだった? 」
「楽しかったけど、疲れた・・・・・・」
拓斗は智と同じように手を握ったりしながら、答える。




