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地方戦争 後編   作者: 山本正純
隔離病棟籠城事件
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最終決戦 4

 状況が全く理解できない。いったいどういうことなのか。宮本桜さんは質問をする。

「それで目的は何ですか。この人質籠城事件の目的です」

「狩です。黄色いアザラシの残党は組織にとって不穏分子。それを取り除くためにこの籠城事件を起こした。まあ彼らをおびき寄せるために地方戦争というゲームを起したからこの作戦は赤字でしょう。赤字は彼らの所有している爆弾やアンプルを外部に流出させれば取り返せますから損害はありません」

 何がタイムパラドックスの修正だ。何が時空の歪みだ。これはスケールダウンしすぎだろう。

 ということは世界崩壊の話はバイオテロをするということか。そして地方戦争の目的はテロリストの残党をおびき寄せるための罠だった。そんなことに私たちは巻き込まれたのだ。

「ふざけるな。こんなくだらないことに巻き込んでおいて、ただの抗争でしたという結末。こんな結末誰も望んでいない」

 宮本栞さんはこの言葉から何かを感じ取ったようだった。そして彼女は携帯電話を取り出し仲間と連絡を取る。

「ウリエルです。黄色いアザラシの所有するアンプルは未完成でした。ということでバイオテロは延期します。黄色いアザラシの残党は既に気絶させました。組織の施設に搬送してください」

 宮本桜さんは私の耳元で囁く。

「これで世界崩壊は無くなった」

 そう言うと彼女は暗闇に消えて行った。

 こうして謎のゲームはエンディングを迎えた。

 その後塚本早馬を殺した男が出頭した。その男はプレイヤーキラーではなくただの殺人犯であった。隔離病棟で起こった人質籠城事件は証拠が不十分だったため公にされなかった。

 そして一番驚いたことはマイク・フランクリンの逮捕。どうやら神奈川県警に匿名で音声データが送信されたらしい。それで世界征服計画が浮き彫りとなり逮捕に到った。

 こうして日常は戻った。これからは楽しいことが待っている。もう謎のゲームも奇襲される放課後も存在しない。

 私は深呼吸をした後隔離病棟に向かう。右手に花束を持って。黒崎の退院はまだ先だ。



原作者山本正純です。初のSF作品お楽しみいただけたでしょうか。

 ミステリー以外のジャンルに挑戦しようと思い執筆したこの作品。SFなのであの漫画雑誌に載りそうなくらい自由な設定で書いてみました。

 この小説を執筆中何でもありのSFも悪いジャンルではないと理解しました。他ジャンル理解という意味でこの作品は有益な物であったと思います。

 ただ一人だけ混沌とした世界の中でシリーズのあの人物がSFの世界に迷い込んでしまいました。この迷子騒動はパラレルワールドです。設定の逆輸入はしません。逆輸入すればSFの世界と同化してしまい何でもありのミステリーの世界の風紀が乱れるからです。

 今度はキャラクターを一新した世界を創りたいものです。その時は嵐の孤島のように絶対に部外者が入れない世界にしたいです。

 ここまで駄作SF小説を読んでいただいた読者様に感謝しつつ筆を置きます。また続編の予定はありません。

 迷子騒動はえこひいきではない。


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