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挟みうち
後はボスを倒すだけだと思ったのも束の間だった。ボス自ら動き出し私たちを発見したのだ。ボスは私たちの銃口を向ける。
「かくれんぼを終わりにしよう」
まだ逃げ場はあると思った。だが事態は急変する。背後からマイクが現れ挟み打ちをして逃げ場を失ったのだ。
「第五試合も勝ちだ」
絶体絶命。前にはテロリストのボス。後ろには敵軍のボス。もう逃げるという選択肢は消えた。だがこちらには一人の仲間がいる。それなら簡単だ。テロリストのボスは中島さんに任して私はマイクとの戦闘に専念する。まだ戦闘に自信がないがこれしか方法はないだろう。
「マイク・フランクリン。まだ第五試合は終わっていない。残りの制限時間一分でお前を倒せばお前の負けだ」
「そんなことができるはずがない」
マイクは高笑いをする。私は中島さんに耳打ちで指示する。
「あのテロリストのボスは任せました」
一分間のタッグマッチが今始まる。




