第98話
第98章 複数戦ラスト
「よし……アレ、出すか」
ラビィが小さく呟く。
その気配に、佐助と虎徹が同時に身構えた。
「行くよ、佐助さん! 虎徹! 」
「闇兎……」
その声と共に、ラビィの姿が闇へと溶ける。
「また闇兎か……!」
佐助は即座に撃退の構えを取る。
虎徹も低く唸り、闇を睨み据える。
――その時。
闇の奥から、静かな声が響いた。
「……月兎」
次の瞬間、闇の中心から強烈な光が炸裂する。
白く、鋭く、視界を塗り潰すほどの光。
「っ……!」
突然の閃光に、佐助と虎徹は思わず怯む。
だが、正面からの攻撃を警戒し、構えは崩さない。
「兎の跳躍!」
光の中からラビィが飛び出し、上空へと跳ぶ。
同時に、その進路上には既にドラキュが舞っていた。
ラビィは一瞬でドラキュの足を踏み台にする。
「もう一回――兎の跳躍!」
蹴り上げられた反動で、さらに加速。
上空から、超スピードでの急襲。
そこから間髪入れず――
「闇兎乱舞!」
闇の斬撃が、波のように連続して叩き込まれる。
光と闇が交錯し、空間そのものが裂ける。
ようやく視界を取り戻した佐助が、周囲を見渡す。
……そこは、もうリングではなかった。
「……転送エリア?」
次の瞬間、実況の絶叫が会場を揺らす。
「す、凄まじい攻防だぁぁ!!
この激戦を制し、複数戦の称号を手にしたのは――!」
「ラビィ&ドラキュ組だぁぁぁ!!」
勝者コールが響き渡る。
観客席で、その光景を見ていたアースが苦笑いする。
「……まだ、手抜いててくれたんだ……」
リングに戻ったラビィは、仲間たちと観客に向かって手を振り、笑顔で言った。
「最高の試合だったよ! みんな、応援ありがとー!」
会場は割れんばかりの歓声に包まれる。
そしてアナウンスが続けて告げた。
「明日は――団体戦が行われます!
最終日も、どうぞお楽しみに!!」
一周年イベントは、いよいよ最終局面へと向かっていた。
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