第97話
リング中央に立つのは、ラビィとドラキュ。
そして向かい合う佐助と虎徹。
言葉は交わさない。
だが互いに理解していた。本気でぶつからなければ、一瞬で終わる――と。
「複数戦決勝戦――試合開始ぃ!!」
コールと同時に、ドラキュが初動からブレスを吐く。
灼熱の奔流。
虎徹は一歩も引かず、鋭い爪撃でそれを切り裂いた。
裂けた炎の中から、影が躍り出る。
ラビィだ。
虎徹へとナイフを叩き込もうとした、その瞬間。
佐助が踏み込み、ラビィの腕を掴む。
「――っ」
ラビィは即座に佐助の身体を蹴り、掴まれた腕を振りほどく。
互いに距離を取り、再び元の位置へ。
今度は俺たちの番だと言わんばかりに
佐助と虎徹、息の合った連携攻撃がラビィを襲う。
だがラビィは、その速さを読み切っていた。
紙一重で捌き、致命を許さない。
二人の連携を断ち切るように、ドラキュが上空から急襲。
佐助と虎徹は同時に後方へ飛び退き、再び対峙する形に戻る。
一進一退。
一瞬の油断が敗北に繋がる攻防に、会場全体が息を飲み、静まり返った。
ドラキュが翼をはためかせ上空へ。
ラビィはその足を掴み、共に舞い上がる。
次の瞬間――
ドラキュが一気に急降下。
激突の刹那、ラビィは叫ぶ。
「闇兎――!」
闇の斬撃が走る。
だが、虎徹がその前に出た。
ガキンッ。
虎徹の牙が、ラビィのナイフを噛み止める。
その一瞬を逃さず、佐助がスキルを放つ。
「獣爪拳!」
風を切り裂く双撃の突進。
ドラキュが翼を大きく打ち、強烈な風圧で佐助の速度をわずかに殺す。
ラビィは即断した。
ナイフを手放し、佐助の両手を蹴り上げて攻撃をいなす。
クルリと回転し、着地。
一方、虎徹は口に咥えたナイフを――ペッ、と吐き捨てた。
その光景に、ラビィと佐助は同時にニヤリと笑う。
火花散る決勝戦は、まだ始まったばかりだった。
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