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第67話

日が沈み、辺りはゆっくりと闇に包まれていった。


ラビィたちは、指定された集会場から少し離れた地点に身を潜めていた。


目的地は、フィールド内にある廃村。

その一角に、忘れ去られたように残る寺社跡地がある。

夜のとばりの中、崩れた鳥居と傾いたやしろが、不気味な影を地面へと落としていた。


遠目に、人影がちらほらと集まっていくのが見える。

数は少なくない。

だが、誰一人としてメンバーを連れていない。


「……では、行ってきます」


ラビィがそう言い、集会場へ足を向けようとした瞬間だった。


「ラビィくん、ちょっと……」


呼び止めたのはファーブルだった。

彼は少し言いよどむように視線を落とし、それから小さな袋を取り出す。


「もし……あまり気乗りはしないが、万が一の時は、これを」


ラビィの手のひらに載せられたそれは、軽く、小さく、何が入っているのか分からない。


「頑張ってね」


ファーブルがそう言うと、ジャンヌも、ヴラドも、孔明も静かに頷いた。

言葉はない。

それが却って、覚悟の重さを伝えてくる。


「……改めて、行ってきます。皆さんも、くれぐれも気をつけて」


ラビィは一礼し、闇の中へと歩き出した。


寺社跡地の前まで来たとき、一人の男が立ちはだかる。


「おい。合言葉は?」


一瞬、喉が詰まる。

だが、ラビィはすぐに思い出し、口を開いた。


「は、花は枯れども……虫は朽ちども……志は達せる……」


男はじっとラビィを見つめる。

数秒が、やけに長く感じられた。


「……よし、通れ」


「は、はい……」


胸をなで下ろしながら、ラビィは集会場の中へ足を踏み入れた。


中は薄暗く、顔までははっきり見えない。

それでも人数だけは分かる。

十五人、多くて二十人ほど。

ざわざわとした空気が漂っていたが、やがて一人の女が前へ出る。


「皆様、今宵はお集まりいただき、誠にありがとうございます」


その一言で、場内は水を打ったように静まり返った。


「本日は、この集会にて皆様にお伝えしなければならないことがございます。最近、どうやら我々の集団を、解散へと追いやろうとするやからがいるとの情報を耳にいたしました」


ラビィの心臓が、ドクンと鳴った。


「何か有益な情報をお持ちの方はいらっしゃいませんか?」


数人が前に出て、対MK組織の存在や、相手の規模、動きについて断片的な情報を口にする。

女はそれを静かに聞き、頷いた。


「分かりました。ありがとうございます」


そして、淡々と告げる。


「最近は活動も活発化し、私としても嬉しい限りです。これからも、皆様よろしくお願いしますね」


そう言って、女は背を向け、立ち去ろうとした。


――今だ。


ラビィは意を決し、一歩前へ出る。


「……あの」


闇の中で、女が足を止める。


ラビィは、孔明から託された“質問”を、胸の奥で反芻はんすうしながら、口を開く。

ここまでお読み下さり本当にありがとうございます!


更新日時は毎日致します。

平日:7時頃、12時頃、20時頃の1日3話

土、日、祝:12時頃、16時頃、20時頃の1日3話

で行います。


少しでも

面白かった。続きを読んでみたい。頑張って。と思われた方、よろしければブックマークもお願いします!

感想などもお待ちしております。

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