表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

67/150

第66話

決起集会当日の朝。

ラビィはまだログインしていなかった。


目覚めは浅い。

それでも、不思議と頭は冴えていた。


いよいよ今夜、クロノス・レガリアの中でMK達の決起集会が行われる。

その事実は、恐怖というよりも、避けられない現実として胸に沈んでいる。


もし失敗したら。

もし見抜かれたら。

もし……


そこまで考えて、ラビィは思考を止めた。

考えたところで、もう戻る道は無い。

逃げないと決めた時点で、自分は確実に前へ進んでしまったのだ。


放課後。

帰宅したラビィは迷いなくログイン準備を整える。


視界が切り替わり、拠点の一室に立つ。

ジャンヌ、ヴラド、ファーブル、孔明。

全員が揃っていた。


「今夜の作戦を説明しましょう」


孔明の声は静かで、しかし揺るぎがない。

すでに軍師としての顔だった。


「まず一点。集会場にメンバーを連れたプレイヤーがいるのは不自然です。潜入はラビィさん、あなた一人です」


ラビィの胸がドクンと鳴る。

覚悟はしていた。それでも緊張は隠せない。


「残った我々は集会場周辺に待機。不審な人物、集会後に動きを見せる者を監視します」


そこで、ファーブルが手を軽く挙げた。


「うん、少しいいかな?」


全員の視線が向く。


「周囲で待機している僕たちメンバーには、必ずやって欲しい事があるんだ。まずラビィくんが集会場内に潜入してから入って行くプレイヤー達の顔をなるべく覚えて欲しいんだ、後々の対策を取るのに必ず必要になってくるはずだから」

「ええ、その通りです。ラビィさんに、作戦以上の負担はかけたくありませんので。ヴラドさんもジャンヌさんもよろしくお願いしますね」


二人は孔明、ファーブルを見つめ頷く。


「そして最も重要な点です。ラビィさんには、集会の場で“ある質問”をしていただきたい」


ラビィは息を整え、頷く。


「内容はこうです。

最近ノルマが厳しくなり、集団を抜けようとする者が出ている。その者達を首謀者としてはどう考えているのか」


空気が張り詰める。


「首謀者本人は、その場に現れない可能性が高い。ですが、この問いを投げれば、場を仕切る責任者が必ず反応します。その人物を特定し、集会後に尾行。首謀者へと繋がる道を探る。あなたの鋭い聴力が必ず役にたちます」


孔明は一拍置いた。


「無論、危険は伴います」


その言葉を、ラビィは遮った。


「やります」


声は震えていなかった。

怖さはある。

だが、それ以上に“止めたい”という気持ちが勝っていた。


ファーブルがラビィを見て、にこりと笑う。


「大丈夫。君はもう、ちゃんと考えて進んでる。無鉄砲じゃない。それはとても大事なことだよ」


孔明は静かに頷く。


「……ありがとうございます、ラビィさん」


最悪の場合、ラビィは消失する。

だが彼女はプレイヤーだ。再ログインは可能だ。

それでも、“何も知らなかった自分”には戻れない。


この一歩は、確実に自分を変える。

ラビィはそれを理解していた。


やがて、ゲーム内の空がゆっくりと夕闇に染まっていく。


「そろそろ時間ですね……」


孔明の言葉を合図に、全員が立ち上がる。


それぞれの役割。

それぞれの覚悟。


この夜は終わりではない。

戻れない場所へ進む、はっきりとした分岐点だった。


ラビィ達は、決起集会場へと向かった。

ここまでお読み下さり本当にありがとうございます!


更新日時は毎日致します。

平日:7時頃、12時頃、20時頃の1日3話

土、日、祝:12時頃、16時頃、20時頃の1日3話

で行います。


少しでも

面白かった。続きを読んでみたい。頑張って。と思われた方、よろしければブックマークもお願いします!

感想などもお待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ