第59話
孔明の説明は理屈としては理解出来る。しかし、それを自分の中に落とし込めているかと言われれば、ラビィは正直首を傾げざるを得なかった。
「分かる……けど、分からない」
そんな曖昧な感覚が胸の奥に残る。
しばらく考え込み、ふとラビィは顔を上げた。
「ねぇ……サブメンバーの事なんだけど」
全員の視線が集まる中、ラビィは続ける。
「植物とか、そういうものに詳しい人を候補にするのって……どうかな?」
コロンブスは即座に腕を組み、うんうんと頷いた。
「戦場で何が起きてるか分かるなら、そいつは頼もしいな」
ジャンヌも穏やかに微笑みながら同意する。
「未知を知る力は、剣や槍と同じくらい尊いものです」
ヴラドも鼻を鳴らし、
「分からぬ敵ほど厄介なものはない。詳しい者がいるに越したことはない」
と短く言い切った。
孔明も小さく息を吐き、
「植物や生態の分野は、私の専門ではありません。有識者を迎える判断は理に適っています」
と静かに認めた。
全員の了承を得られたことで、ラビィはふっと肩の力が抜けるのを感じた。
「よかった……」
「候補が決まるまでは、メンバーを連れていないプレイヤーには十分注意して行動しよう」
ラビィの言葉に、全員が頷く。
「候補が決まり次第、データ抽出に向かう。それまでは慎重に、だね」
こうして方針が定まり、話は一区切りついた。
最近、考える事ばかりが続いていたラビィ一行だったが、その日は討伐クエストに赴き、目の前の魔物相手に鬱憤を晴らすかの様に暴れ回った。
剣が唸り、怒号と咆哮が交錯する。
束の間、悩みを忘れ、ただ戦う事に集中する時間だった。
ラビィはログアウト後もサブメンバーに相応しい人物の検索をする。
「植物に詳しい人……うーんたくさんいるな」
植物学者……
研究者……
農家……
植物に詳しそうな人物を、一通り眺める。
「ん?この人知ってる……確か家にもこの人の書いた物あったような……」
書籍端末を操作し眺める。
「やっぱりあった!」
ラビィはその人物の書籍を読み終え決意した。
「この人、すごい。この人に決めた!」
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