第57話
ラストとの一件が、頭から離れないラビィ。
ログアウトして布団に入っても、目を閉じれば消失の光景と言葉が蘇り、ラビィはほとんど眠れずに朝を迎えていた。
重たい気分のまま登校し、クラス内でユイの姿を見つける。
ラビィは迷いながらも、昨日あった出来事をかいつまんでユイに話した。
ゲームの中の話でありながら、どこか現実と地続きの、不気味な内容だった。
話を聞き終えたユイは、少しだけ腕を組んで考え込む。
そして、あっさりと言った。
「ひとまずさ、メンバー連れてないプレイヤーを怪しめばいいんじゃない?」
あまりに率直な言葉に、ラビィは思わず吹き出してしまう。
「ちょ、なに笑ってるの!?」
ユイは頬を膨らませる。
「これでも真面目に考えたんだから!」
その様子に、ラビィは肩の力が抜けた。
確かに、今すぐ出来ることはそれくらいしかない。
出来ないこと、分からないことを無理に掘り下げても、答えは出ない。
「ありがとう、ユイちゃん」
そう言うと、ユイは少し照れたように目を逸らし、
「べ、別に」
と小さく呟いて自分の席へ戻っていった。
ラビィは前を向く。
今は、今出来ることを積み重ねるしかない。
始業のベルが校内に鳴り響いた。
ラビィも席に付き授業を受ける。
昼休み、ランチを食べる為にユイと二人で学内にあるフードコートに向かう途中である話し声がラビィの耳に聞こえてきた。
「絶対、誰にも言うなよ……実は俺MKやってるんだよ。」
「はぁ!?真面目に言ってんの?」
「あぁ、キル数によって貰えるアイテムとかデータとか特典が凄いんだよ!」
聴力が優れているラビィにしか聞こえていないその話し声が遠ざかっていく……
フードコートに着き、昼食を選んで席に着いた二人。
ラビィはさっき聞こえてきた内容をユイに話した。
「えっ!ウチの学校にも居るって言うの!」
「誰かまでは分からなかったけど……内容は間違えて無いと思う。」
こんな身近にまで根を張るMK集団。
規模や構成人数、真の目的など分からない事が山積みのMK問題にラビィも頭を悩ます。
「まっ、そんな事よりご飯たべよっ!」
明るいユイの言葉にラビィも自然とお腹が鳴る。
「いただきます!」「いっただっきまーす!」
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