表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

53/150

第52話

佐助が個室を去ったあと

MKが活発化していること、強制ログアウトが相次いでいること、そしてゲームを離れるプレイヤーが出始めているという現状を聞いたジャンヌが静かに呟く。


「……想像以上ですね」


コロンブスも腕を組み、珍しく軽口を叩かなかった。


その時、孔明が顎に手を当て、ふと思い出したように口を開いた。


「以前……“ラスト”と名乗る人物がいましたね。自称MKキラーとか」


その名を聞き、ラビィは一瞬だけ表情を曇らせた。

確かに、あの男は不自然だった。

だが同時に、今の話と無関係とも言い切れない。


「……まだ疑いは拭えません。でも、一度ちゃんと話を聞きたいです」


そう決めたラビィは、その場で端末を操作し、ラストへと連絡を送った。


翌日。

ラビィの端末に返信が届く。


そこには丁寧な感謝の言葉と共に、会える日時の了承、そしてこう続いていた。

――こちらを警戒しているのは当然でしょう。ですから、場所はそちらで指定してください。


「……やっぱり、用心深い人」


ラビィはそう呟き、最近戦国区画に借りた一行の拠点を指定することにした。

地図データを添えて送信する。


そして指定日当日。

拠点で待つラビィたちの前に、ラストは一人で姿を現した。


「本日は、お時間を設けてくださりありがとうございます」


そう言って、彼は深々と頭を下げた。

まだ疑っているであろう相手に対しても、その態度は崩れない。


全員が席に着いたのを確認し、ラストは静かに話し始めた。


「いきなりですが本題からお話します。まずMKたちを指揮している主導者がいます。彼らは……ある手段を用いて、意図的にメンバー消失を引き起こしていると言われています」


場の空気が一気に張り詰める。


「その方法は、MKたちに共有され、実行されています。主導者本人の目的までは、まだ完全には掴めていませんが……」


ラストは一度言葉を切った。


「その主導者の正体は掴めていません……がクロノス・レガリアそのものに、強い恨みを持っている人物だと聞いています」


ラビィは息を呑んだ。

ただの愉快犯ではない。もっと根深い何かがある。


「そこで、ラビィさん。あなたにいくつか質問をさせてください」


視線がラビィに向けられる。


「クロノス・レガリアの“絶対ルール”について、何かおかしいと感じたことはありませんか?」


「そして……なぜ、私はメンバーを連れていないのか疑問には思いませんでしたか?」


突然の問いに、ラビィは言葉を失った。

思わず孔明を見るが、孔明も小さく首を振る。


分からない。

ラストの事は分からないが、ゲーム内のルールは今まで当たり前として受け入れてきたことだった。


ラストは、ほんの少しだけ微笑んだ。


「では、ヒントを一つ。ラビィさんのご友人、ユイさんのことを思い出してみてください」


その言葉に、ラビィの脳裏にユイの姿が浮かぶ。

明るくて、優しくて、いつも変わらない彼女。


「ユイちゃんの……違和感、ですか?」


考え込むラビィの隣で、孔明の瞳がわずかに見開かれた。


「……なるほど」


小さな声だったが、確かな気づきの色がそこにはあった。


静かな拠点の中で、点と点が、ゆっくりと線になり始めていた。

ここまでお読み下さり本当にありがとうございます!


更新日時は毎日致します。

平日:7時頃、12時頃、20時頃の1日3話

土、日、祝:12時頃、16時頃、20時頃の1日3話

で行います。


少しでも

面白かった。続きを読んでみたい。頑張って。と思われた方、よろしければブックマークもお願いします!

感想などもお待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ