表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

49/150

第48話

光の向こうへ一歩踏み出した瞬間、視界が一気に開けた。

天井の高い、広い空間。岩肌は淡く発光し、どこか現実感の薄い場所だった。


そして、その中央に立っていた……


孔明。

ジャンヌ。

コロンブス。


三人とも、以前と同じ姿。

いや、同じであるはずの姿。


「……っ」


ラビィの喉が、ひくりと鳴った。

まぶたの裏に焼き付いて離れない光景が、鮮明によみがえる。


あの時。

ニヤリと歪んだ、偽ジャンヌの笑顔。


心臓が強く脈打つ。

怒りと恐怖が、一気に込み上げてくるのを感じた。


(落ち着け私……)


ラビィは、深く息を吸い、理性でそれを押さえ込む。

今は、あの時とは違う。


「……ふざけるのも大概にしろ」


低く、冷えた声でヴラドが吐き捨てた。

鋭い視線が、目の前の三人を射抜く。


その瞬間、三人は同時に笑った。

人の形をしたまま、ぐにゃりと輪郭が歪む。


「くくっ……また喜んで近づいて来ると思ったんだがな」


擬態が解け、姿を現したのは

前回と同じ、あの魔物たちだった。


「来るぞ」


ヴラドの言葉と同時に、魔物が地を蹴った。


「ラビィ」


ヴラドが叫ぶ。


「怒りに任せるな。視野を失う」


「……大丈夫です」


ラビィは一瞬だけ、彼を見て微笑んだ。


「今なら……ちゃんと戦えます」


魔物の爪をかわし、ナイフを振るう。

三対二。数では不利なはずなのに、押されている感覚はなかった。


連携。判断。呼吸。

すべてが噛み合っている。


だが

最後の一体になった瞬間、魔物の一撃がラビィを襲った。


「っ……!」


体勢が崩れ、足がもつれる。


「ラビィ!」


ヴラドの声が遠くなる。


その時だった。


――立て。


胸の奥に、響く声。


――今すぐ立ち上がり、任務を遂行させろ。


それは声ではない。

けれど、確かに分かる。


半蔵の声……

いや、半蔵の想い。


「はいっ!」


ラビィは、はっきりと応えた。


「スキル……兎の跳躍!」


地を蹴り、身体が宙へ舞い上がる。

視界が一気に高くなる。


落下の勢い、そのままに最後の魔物へとナイフを突き立てた。


「ギャーーッ!!」


魔物は断末魔を上げ、黒い霧となって崩れ落ちる。


静寂。


ラビィは着地し、荒く息をついた。


「……やった」


声が震える。


「やった……やった……」


そして、込み上げる感情のままに叫んだ。


「やったーー!!」


光の空間に、その声が力強く響いた。

ここまでお読み下さり本当にありがとうございます!


更新日時は毎日致します。

平日:7時頃、12時頃、20時頃の1日3話

土、日、祝:12時頃、16時頃、20時頃の1日3話

で行います。


少しでも

面白かった。続きを読んでみたい。頑張って。と思われた方、よろしければブックマークもお願いします!

感想などもお待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ