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第46話

かつて、チュートリアルで訪れた場所。


そして半蔵を失った場所。


ラビィは、三度みたびそのほら穴の前に立っていた。


薄暗い入口は、記憶の中と何一つ変わらない。

それなのに、胸の奥だけが静かにざわつく。


「……ここだね」


小さく呟いた声に、仲間たちがそれぞれ頷く。

孔明、ジャンヌ、コロンブス、ヴラド。

そして、ラビィの肩口にちょこんと乗る小さな相棒。


ラビィは一人ひとりと目を合わせた。

言葉は要らない。それだけで十分だった。


「行こう」


ほら穴の中は、以前と同じ冷たい空気が満ちていた。

だが、三度目ともなれば勝手は分かっている。

分岐や起伏、足元の癖、身体が覚えていた。


やがて、湧水の泉へと辿り着く。


澄んだ水音が静かに響くこの場所。

ラビィは、ここからが本番だと自然に息を整えた。


「兎の直感……」


スキルを起動しようとした、その時。


「お待ちなさい、先走る気持ちも分かりますが」


孔明の穏やかな、しかしはっきりとした声がラビィを制した。


「もし……この先で前回の様に道が分断された場合は、ラビィさんあなたはどうするおつもりです?」


ラビィは手を下ろし、少しだけ考える。

そして、迷いのない目で顔を上げた。


「もしこの先、道が分断した場合は……」


一同の視線が集まる。


「ヴラドさんには悪いですが、前回と同じで

 孔明さん、ジャンヌさん、コロンブスさんの三人。

 私とヴラドさんの二人で行きます。これで行きたいです!」


「……っそ、それは」

孔明が言葉を発せ様とした時コロンブスは孔明の肩にそっと手を置き首を振る。

そしてコロンブスは、何も言わずにラビィを見つめ

次の瞬間、親指を立てた。


「今度は、絶対に二人で無事に合流しろよ!約束だ」


短いが、重みのある言葉。


ラビィは力強く頷いた。


「はい。二人と一匹ですけどね」


そう言って肩の上を見ると、

ドラキュは「キュ」と小さく鳴いた。


その声に、張りつめていた空気が、ほんの少し和らぐ。


「……行きます。兎の直感」


スキルを発動した瞬間、視界が淡く揺らぐ。


何も無いはずの岩壁が歪み、

まるでホログラムが解除されるように消え去った。


現れたのは、前回と同じ隠し通路。


だが、ラビィの胸に浮かんだ感情は、あの時とは違っていた。


「今度は、大丈夫」


そう小さく呟き、

ラビィは新たな決意を胸に、一歩、通路へと足を踏み出した。

ここまでお読み下さり本当にありがとうございます!


更新日時は毎日致します。

平日:7時頃、12時頃、20時頃の1日3話

土、日、祝:12時頃、16時頃、20時頃の1日3話

で行います。


少しでも

面白かった。続きを読んでみたい。頑張って。と思われた方、よろしければブックマークもお願いします!

感想などもお待ちしております。

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