第37話
中世区画の宿泊施設、その一室。
落ち着いた灯りの中で、ラビィは皆の顔を見渡しながら口を開いた。
「皆さん……サブメンバーのこと、どう思いますか」
一瞬、空気が静まる。
最初に口を開いたのは孔明だった。
「効率だけを考えれば、早めに補充するのは理にかなっています。選択肢は多い方がよい」
続いてジャンヌが、少し身を乗り出す。
「ラビィちゃんのことを思うなら……不足の事態でも、常に“もう一人仲間がいる”という安心感は、とても大切だと思うわ」
その言葉に、ラビィの胸が少し締めつけられた。
だが、コロンブスは腕を組んだまま首を振る。
「俺は反対だな。今はまず、このメンバーを固めるべきだ。足場が不安定なまま増やすのは得策じゃねぇ」
ヴラドも静かに頷く。
「孔明くんの言う効率は理解できる。だが、今最も重要なのはラビィくん、君自身の成長だ。いくつもの依頼をこなし、我々を導く者として判断、経験を積み重ねることが、結果として全体を強くする」
意見は割れた。
そして自然と、視線はラビィへと集まる。
データ抽出を行えば、またしばらくログインできなくなるかもしれない。
だが、先を見据えれば補充も必要だ。
どちらも正しい。だからこそ、決めきれない。
ラビィが言葉を探していると、ふいにコロンブスが肩をすくめた。
「とりあえず……頭を使う小難しい話は、腹ごしらえの後にしようぜ!」
一拍遅れて、ヴラドが即答する。
「異論はない」
「やれやれ……」
そう言いながらも、孔明の腹が小さく鳴り、ジャンヌが思わず微笑む。
その瞬間、張り詰めていた空気がほどけた。
久しぶりに交わされる、気負いのない笑い声。
「じゃあ、サブメンバーの話は一旦保留ですね」
ラビィがそう言うと、皆が自然に頷いた。
まずは、簡単なクエストをこなしながら考える。
今はそれでいい。
一行は立ち上がり、中世区画にある食事処へと向かう。
変わってしまったものもある。
それでもこうして並んで歩ける場所が、まだここにある。
ここまでお読み下さり本当にありがとうございます!
更新日時は毎日致します。
平日:7時頃、12時頃、20時頃の1日3話
土、日、祝:12時頃、16時頃、20時頃の1日3話
で行います。
少しでも
面白かった。続きを読んでみたい。頑張って。と思われた方、よろしければブックマークもお願いします!
感想などもお待ちしております。




