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第26話

孔明、ジャンヌ、コロンブスの三人は、通路の奥に現れた人影をじっと見据えていた。

やがて闇の中から姿を現したのは、見慣れた二つの影。


「ラビィちゃん……半蔵殿……?」


ジャンヌが思わず一歩踏み出しかける。

だが、その瞬間。


「待たれよ」


孔明の低い声が、はっきりと空気を切った。

ジャンヌとコロンブスは反射的に足を止める。


「……どういう事だ、孔明?」

「簡単な話です。あれは本人ではない」


三人の視線の先で、ラビィと半蔵の姿をした二人が、わずかに口元を歪めた。


「ほう?」

「ちっ……騙されなかったか」


次の瞬間、二人の身体がぐにゃりと歪む。

人の皮を剥ぐように、その姿は異形へと変貌した。

黒く粘ついた体躯、歪んだ顔、鋭い爪。


擬態型ぎたいがたか……厄介ですな」


孔明の言葉と同時に、魔物が襲いかかる。

ジャンヌが剣を抜き、コロンブスが横から斬り込む。


「くそっ、気味の悪い真似しやがって!」


三人は連携し、決して楽ではない戦闘を強いられながらも、ついに魔物を打ち倒した。

異形は悲鳴とともに霧散する。


「ラビィちゃん達は、無事なのかな……」


ジャンヌの声には、隠しきれない不安が滲んでいた。


その頃ラビィ達もまた、淡く光る空間へと足を踏み入れていた。

そこは先程までの暗闇が嘘のように、はっきりと周囲が見渡せる。


そして、その中央には見慣れた人影が……


「孔明さん! ジャンヌさん! コロンブスさん!」


三人の姿を見つけたラビィは、安堵の表情で駆け出した。


「ラビィちゃん!」


その瞬間、半蔵の目が鋭く細まる。


「止まれ、ウサギ――!」


だが、間に合わなかった。


「ふふふっ」


背後から、柔らかい声。

振り向いたラビィの視界に映ったのは、にやりと笑うジャンヌの顔。


次の瞬間、鋭い刃が閃いた。


「うっ……!」


衝撃と共に、ラビィは地面に倒れ込む。

幸い致命傷ではない。

だが、確かな痛みが走った。


「貴様……!」


半蔵が即座に割り込み、忍刀を振るう。

三人は不気味な笑みを浮かべ、その姿を魔物へと変えた。


「ちっ……囲まれているな」


半蔵はラビィを背に庇いながら戦う。

ラビィも歯を食いしばり、ナイフを握り直した。


「私も……戦える!」


必死の応戦。

時間は短く、だが重く流れ。


ついに魔物は倒れた。


静寂が戻る。


「えっ……半蔵、さん?」


ラビィが振り返った時、そこには地面に崩れ落ちた半蔵の姿があった。

その身体には、深い傷。


「やだ……そんな……」


ラビィは駆け寄り、震える手で半蔵を支える。


「私の……せい……だよね……ごめんなさい……ごめんなさい……!」


涙が止まらなかった。


半蔵は、かすかに目を開き、ラビィを見た。

そして、これまでになく、ゆっくりと言葉を紡ぐ。


「……違う」

「お前のせいでは……ない...」


掠れた声。それでも、はっきりと。


「己の判断だ……守ると決めた」

「それに……悪くない旅だった」


一瞬、ほんの僅か、口元が緩んだように見えた。


「……あまり、自分を責めるな」


その身体が、光の粒子へと変わり始める。


「待って……行かないで……!」


ラビィの叫びも虚しく、半蔵の姿は完全に消えた。


「いやああああああ!」


その瞬間だった。


視界が白く弾け、世界が引き剥がされる感覚。

端末の警告音すら鳴らない。


《強制ログアウト》


同じ時、孔明、ジャンヌ、コロンブスの三人もまた、

何かに掴まれるように、その場から消えていった。


世界は、唐突に、途切れた。

ここまでお読み下さり本当にありがとうございます!


更新日時は毎日致します。

平日:7時頃、12時頃、20時頃の1日3話

土、日、祝:12時頃、16時頃、20時頃の1日3話

で行います。


少しでも

面白かった。続きを読んでみたい。頑張って。と思われた方、よろしければブックマークもお願いします!

感想などもお待ちしております。

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