第25話
地鳴りによって引き裂かれた道は、もう元には戻らない。
ラビィは半蔵と並び、暗い通路の奥を見つめながら、小さく息を吸った。
「……先で、合流できるよね」
自分に言い聞かせるようなその言葉に、半蔵は短くうなずく。
「問題はない。生きていればな」
相変わらずぶっきらぼうだが、否定ではない。
ラビィはその言葉を前向きに受け取り、歩き出した。
しばらく進んだところで、半蔵が足を止める。
「前に来た時から、ここは妙だった」
「妙……?」
「空気が澱んでいる。魔物の気配とは違う。だが、嫌な感じがする」
半蔵がそう言うのは珍しい。
ラビィは思わず周囲を見回したが、暗い岩壁と静寂があるだけだった。
やがて、通路の先に淡い光が見えてくる。
松明を使わなくても分かるほど、そこだけが不自然に明るい。
「あっ……あそこ?」
「近づくな。様子を見る」
二人は慎重に距離を詰める。
光は揺らがず、音もなく、影すら落としていないように見えた。
一方その頃。
孔明、ジャンヌ、コロンブスの三人は、反対側の通路を進んでいた。
地形は入り組んでいるが、孔明は歩幅を揃え、無駄な動きを一切しない。
「罠は、単純なものが多いですな」
実際、足元の石板や壁の傷から危険を察知し、
事前に回避することで、戦闘や負傷は最小限に抑えられていた。
魔物が現れても、数は少ない。
ジャンヌが前に立ち、コロンブスが無理に突っ込まず援護に回る。
短いやり取りだけで、すぐに片が付いた。
「ラビィちゃん達、大丈夫かな……」
ジャンヌの呟きに、孔明は即座に答えない。
代わりに立ち止まり、周囲を見渡す。
「ここが、合流点と思われます」
通路は広がり眼前には閉じられた大きな扉、奥にはラビィ達が出てくるであろう、もう一つの穴が口を開けている。
孔明はラビィ一行が出てくるであろう通路に向かい声を張った。
「ラビィさん! 聞こえますか!」
返事は無い。
もう一度呼びかけても、反響だけが虚しく戻る。
「……下手に進むべきではありませんな」
「待つ、ってことか?」
コロンブスの問いに、孔明は静かにうなずいた。
「相手の位置が不明な以上、こちらが動けば危険が増える」
三人は警戒を解かず、その場で待機する。
時間が、わずかに流れた、その時だった。
通路の奥、闇の向こうから、
ゆっくりと近づいてくる人影があった。
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