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第21話

ラビィは、ナイフを握りしめたまま、湧水の前に立つヘビの魔物へと一歩踏み出した。

鋭い眼光がこちらを射抜き、低い唸り声が洞穴に響く。

その視線を受けた瞬間、足が地面に縫い止められたように動かなくなった。


「うっ……」


恐怖が、胸の奥からせり上がってくる。


その時だった。

背中に、ぽん、と優しい感触が伝わる。


「大丈夫よ、ラビィちゃん」


振り返ると、ジャンヌが穏やかに微笑んでいた。

その眼差しに、不思議と胸の震えが少しだけ和らぐ。


「一人じゃないわ」


その言葉に、ラビィは小さく息を吸い、再び前を向いた。


次の瞬間、ヘビの魔物が大きく口を開き、勢いよく飛びかかってくる。

「シャアッ!」という音と同時に、ラビィは反射的に横へ跳んだ。


「今だ!」

コロンブスの声が響き、鋭い剣閃が走る。

ガキン、と硬い音が鳴り、魔物の胴体が弾かれた。


すかさずジャンヌが前に出る。

剣を振るい、正面から魔物を押し返す。


「ラビィ!」


その声に、ラビィは歯を食いしばった。

今度は逃げない。

ナイフを構え、震える腕を必死に抑えながら踏み込む。


「やぁー!」


ザクッ、という手応え。

魔物が苦悶の声を上げ、最後は力なく崩れ落ちた。


静寂が戻る。

ラビィはしばらく、その場に立ち尽くしていた。


《クエストクリア》

《報酬は街の受注端末で受け取れます》


端末の表示と同時に、ラビィの体が淡い光に包まれる。

眩しさは一瞬だけで、すぐに消え去った。


《スキル獲得:兎の跳躍》

《跳躍後の攻撃ダメージ上昇》


「……え?」


表示を見つめるラビィに、仲間たちが次々と声をかける。


「やったじゃねぇか、嬢ちゃん!」

「初陣としては上出来ですな」

「すごい……ラビィちゃん!」


その言葉に、ラビィの頬が自然と緩んだ。

胸の奥に、温かい何かが広がっていく。


「……ありがとう、みんな」


無事にクエストを終えた一行は、ほら穴を後にし、街へ戻ろうと出口へ向かう。


その時、半蔵だけが足を止め、振り返った。

暗い洞穴の奥を見つめ、どこか怪訝けげんな表情を浮かべている。


「半蔵さん、どうかした?」


「……何でもない」


ラビィの問いに、半蔵は視線を戻し、短く言った。


一行は再び歩き出し、始まりの街テンポラリアへと向かっていった。

ここまでお読み下さり本当にありがとうございます!


更新日時は毎日致します。

平日:7時頃、12時頃、20時頃の1日3話

土、日、祝:12時頃、16時頃、20時頃の1日3話

で行います。


少しでも

面白かった。続きを読んでみたい。頑張って。と思われた方、よろしければブックマークもお願いします!

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