第18話
「まずは、準備だよね」
ラビィは、記録アイテムと一緒に届いていた初期プレゼントの内容を思い出す。
所持金500L。
※Legacy:この世界で使われている通貨単位で、装備やアイテムの購入に必要になる。
表記はL。
一行は商店が立ち並ぶ区画へ向かった。
店先には、武器、防具、道具などが所狭しと並んでいる。
どの店も活気があり、NPCたちの呼び込みの声が飛び交っていた。
「まずは、私たちの武器だよね」
そう言うと、ラビィは武器屋の前で立ち止まる。
ふと仲間たちの装備が目に入った。
ジャンヌは、西洋風の両刃の剣を腰に下げている。
コロンブスは、冒険家らしく刃に緩やかな反りの入った中型のソード。
半蔵は姿こそ見えないが、過去に自分の首元に向けられた忍刀を思い出す、
あの一瞬の感覚が脳裏をよぎり少し震えた。
「あれ?そう言えば孔明さんって武器は?」
そう思って尋ねると、孔明は穏やかに首を振る。
「私は戦闘向きではありませんから。
私の武器は、剣や槍ではなく頭脳です」
その言葉に、ラビィは自然と頷いた。
「だったら、嬢ちゃんはこれくらいがいいかもな」
そう言ってコロンブスが指さしたのは、軽量のナイフだった。
「身軽で扱いやすい。最初にはちょうどいいと思うぞ」
「うん、そうだね」
ラビィはそのナイフを手に取る。
重すぎず、握りも悪くない。
「おっ、いい目をしてるねぇ。
それなら――550Lだ」
「あっ、お金足りないや...」
ラビィの言葉に、コロンブスはすぐに口角を上げた。
「おい、オヤジ!半額でどうだ。275L」
「なっ……それはさすがに……!」
店主は慌てた様子で首を振る。
そこからしばらく、やり取りが続いた。
「ちょっ...ちょっとコロンブスさん。さすがにもうやめて!」
あまりの値切りにラビィも慌てて止めに入る。
「わ…分かった。300Lだ。
これ以上は、さすがに勘弁してくれ...」
「ふっ、交渉成立...だな!」
孔明も小さくため息をつく。
「全く、限度という物があるでしょう」
「ちぇ……」
コロンブスは少し不満そうだったが、しぶしぶ納得した。
値切りのおかげで、所持金には余裕ができた。
回復用の薬と、街の外周が描かれた簡易地図も購入する。
「これで、準備は万全かな」
旅支度を終えた一行は、再び中心部の広場へ戻る。
そこには、クエスト受注用のモニターがいくつも設置されていた。
ラビィは画面に手を伸ばし、チュートリアルクエストを選択する。
《チュートリアルクエスト 始まりの冒険》
・依頼内容:最近、街の外周部に小型の魔物が多数見られる為、駆除を依頼したい。
・目的:魔物を5体以上討伐。
・報酬:150L、ギルド入会証
「ふむふむ」
クエスト依頼内容を確認しクエストの受注を押す。
《クエストが受注されました》
受注完了の表示を見て、ラビィは小さく息を吸う。
「行こう。いよいよ、最初のクエストだよ」
こうして一行は、
《クロノス・レガリア》最初の旅へと踏み出した。
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