第17話
「妙な話ってのはな……」
コロンブスは、声を少し潜めた。
「俺たちより前に、この世界に入ってた連中の話だ」
ラビィは、自然と身を乗り出す。
「複数の嬢ちゃんの様なプレイヤー?って言うのか、が突然消えちまったらしい。正確には、そいつの仲間が消えると同時にみたいな事を言ってたぜ。」
「消えた?」
「そうだ。
ダンジョンとか言うヤツに入って行ったのに、帰って来なかったとか。
無事に帰ってきたヤツらの話じゃ突然いなくなったって話だ。
強制…ログアウト?とか言ってたっけな」
言葉自体は使っているものの、意味を完全に理解している様子ではない。
孔明が、ゆっくりとラビィに問いかける。
「ラビィさん。
その“強制ログアウト”とは、どういう現象なのでしょうか?」
「えっと……」
ラビィは一度息を整え、皆に伝わるように説明する。
「私の様なプレイヤーの意思とは関係なく、システム側の都合でこの世界から強制的に切り離される事だよ。
本来は、ほとんど起きないはずなんだけど……」
「なるほど……」
孔明は静かに頷いた。
「他にも、何か言ってなかった?」
ラビィが、コロンブスに問いかける。
「まあ、他には特別な事は言って無かったな。」
「コロンブスさん、ありがとう。」
そう言いつつも、話の内容にラビィの胸は少しざわつく。
ジャンヌが、その変化に気づき、心配そうに声をかけた。
「ラビィちゃん……大丈夫?」
「あっ、うん。大丈夫だよ」
ラビィは小さく笑って首を振る。
「今は、まだ悩んでも仕方ないよね」
そう言って、記録用アイテムを取り出し、聞いた話を簡潔にメモへ書き留める。
「大事な情報だから、覚えておこう」
そう口にすると、いつもの調子を取り戻したように顔を上げた。
「じゃあ、そろそろ行こっか」
一行は席を立ち、酒場の出口へ向かって歩き出す。
その時。
酒場の奥から荒い怒声が響き、次の瞬間、何かが勢いよくラビィの方へ飛んできた。
「危ない!」
ジャンヌが叫ぶ。
ラビィは反射的に目を閉じた。
しかし、衝撃は来ない。
恐る恐る目を開くと、酒瓶はラビィの目の前で止まっていた。
いや、正確には掴まれていた。
影の中から伸びた腕。
半蔵だった。
彼は無言のまま酒瓶を床へ叩きつけ、粉々に砕くと、そのまま音も無く姿を消す。
「あっ、半蔵さん!ありがとう」
きっと、どこかで聞いている。
そう思いながら。
ラビィは空間へ頭を下げた。
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